「後々の人生に役立つはず」とエールを送る1期生の塩谷好太郎=東京都内
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夏休みが終わりに近づいた八月下旬、生徒会長の大塚健は、同役員の鈴木敦子と新幹線で都内に向かった。十一月二十八日、生徒主催で開く袋井商高創立八十周年記念式典で紹介したい人がいたからだ。都内でサッシ工事などを営む豊和工業の会長塩谷好太郎(昭3卒)=(93)=。学校の歴史の一ページを飾った一期生の一人だ。
同校は大正十二年、企業人育成を目的に地元の要請で誕生した。塩谷が入学したのは十二歳の時。「新しい学校ができるとあって、希望者が殺到したのを覚えている。同級生には五歳年上の人もいた」。当時の校訓は「善良なる実業家たらんことを期すべし」。「しつけが厳しかった親への反発もあって、ほとんど勉強しなかった」と塩谷。「親の愛情に気付いたのは最近。何のために勉強するかよく分からなかった」と振り返る。
塩谷の自宅に招かれた二人は青春時代や社会人の経験談をじっくり聞いた。鈴木は「雲の上の人なのに、真剣に人生論を語ってくれた」。大塚は「会えて良かった。立派なOBを誇りに思う」と語る。二人が特に印象に残ったのは「若いうちは勉強しなさい。気が付かないかもしれないが、今という時間を大切にしてほしい」という言葉だったという。
創立記念事業として生徒たちは今年から、模擬デパート「袋商ショップ」を毎年、開催する。地元を中心とした協力企業からの仕入れ、販売・接客などを通じ、長い伝統によってはぐくまれた現在の校訓「責任、秩序、礼儀」の粋を学ぶ。
塩谷は「君たちがやろうとしていることはすべて、後々の人生に必ず役立つ。やってやれないことはない」とメッセージを送る。建学の精神は脈々と受け継がれ、生徒たちは八十年の節目の年、創立の原点を見つめながら、学校デパートの創業に挑む。
(敬称略、題字は鈴木誠市同窓会長=昭21年卒=)
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