(2003年12月6日掲載)

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 実録(上)開店式
リスクかけた真剣勝負
同窓生の前で、商品のプレゼンテーションを行う店長、副店長=袋井商業高
 「今、ここに袋商ショップのスタートを宣言します」。学校創立八十周年式典が開かれた十一月二十八日。式典の第二部はショップの幹部社員鈴木涼太(35HR)の宣言と同校吹奏楽部の勇ましいファンファーレで幕を開けた。十二月十三、十四の両日に開催するショップに向けて、生徒主催の開店式が始まった。

 冒頭、代表取締役社長の鈴木孝枝(36HR)ら役員が体育館の壇上に上がり、社員となる全校生徒にげきを飛ばす。続いて、式典に出席した同窓生を前に、各HRの店長らによるプレゼンテーションが始まった。「年末年始のご入り用はぜひ、わが店で」「うちの店は市販より四割から七割もお安く提供します」―。クラスごと二十一店が軒を連ねるショップには競合店もある。ライバル心もあってか、店長たちの言葉に徐々に熱がこもっていく。

 売り上げ目標一千万円。初年度事業で生徒はいきなり大きな目標を掲げた。校長の太田輝夫は「仮想デパートによる商業体験が本来の目的だが、大きな赤字が出れば当然、翌年の開催に影響する」と話す。

 同窓生や生徒が購入した株の代金は、ショップ設営費や広告費などに消える。ショップで大損失を出せば、自らの株券が白紙同然に変わるほか、後輩に事業そのものを残すこともできなくなる。生徒にとってはショップはリスクがある“真剣勝負”の場だ。

 社長訓示で鈴木は「厳しい経済状況で第一回ショップを開催することは、荒波に一そうの船をこぎ出すような気持ちだ」と社員の前で不安を吐露した。一方で、鈴木はショップの強みとして協力業者による価格面、品ぞろえに加えて、「人のサービス」を挙げた。「社訓『おもてなしの心』は、どの一般常設店舗にも負けてないという自信を持ってほしい」。鈴木は「全国に『袋商ショップあり』と知らしめよう」と社員に力強く呼び掛けた。

(敬称略、題字は鈴木誠市同窓会長=昭21年卒=)