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鶏卵、鶏肉、観光を含む養鶏業から、微生物による処理技術を活用した資源リサイクルで地域社会への貢献を図るP・Bio・Fuji(ピービィオーフジ)代表、石田九市(昭28卒)。(農)東富士養鶏場をはじめ、東富士農産や卵拾い牧場など五社を経営し、飼養羽数は二十万羽を超える。
養鶏は御高卒業後に始めた農業で、二十羽の飼育から。二十七歳のとき、東富士演習場返還に伴う民生安定事業として(農)東富士養鶏場を設立した。農業の企業化を目指し、「他分野と同じように安定した経営を」と月給制を取り入れた。生活が豊かになり、高度成長が訪れて卵の需要が増えたため、関連会社を次々と設立し、順調に発展した。 昭和四十年代後半、畜産廃棄物の処理方法が大きな問題になった。鶏糞(ふん)は、かつては農家が肥料に使っていたが、高コストと化学肥料の普及のために引き取り手が減った。野積みにされた大量の鶏糞は腐敗に任せ、悪臭や土壌汚染などの公害を引き起こす。 悩んだ石田は解決法を海外に求めた。畜産が盛んなヨーロッパやアメリカの業者は牧草地にまくだけで、参考にならなかったが、学者や企業の間で微生物処理の研究が行われていることを知る。特にワインの国フランスは、良質な土壌造りを目指して微生物「コフナ菌」の研究を進めていた。
「これだ」と思った石田は渡仏して通訳と二人、微生物についての勉強を始める。昭和五十二年、コフナ菌による鶏糞処理法を開発。コフナ菌で処理した鶏糞と、富士市などの製紙工場から排出される紙くずを使った有機肥料を造り、日本で独占販売を始めた。コフナ肥料は化学肥料で疲弊した土地の連作障害を防ぎ、農薬を使わずに味のいい農作物が生産できた。 本職の養鶏でも、五年前から国の認可を得て、整腸作用を持つ「ピビオ菌」をえさに混ぜて与え、鶏の健康を管理。抗生物質を全く使わない鶏卵、鶏肉は消費者の支持を受け、健康食品の材料にもなっている。「私たちの商品が時代に合い、技術が地球問題に役立つときが来た。次は、家庭の生ごみを腐敗する前に微生物処理し、資源に活用したい」と意欲を見せる。 現在、フィリピンから八人の研修生を受け入れている。「日本は工業に偏り、農業の地位が低い。金にあかせて他国から食糧を買うという考えでは駄目。自給率を向上し、技術を途上国に提供しなければ。二十一世紀は農業のグローバル化の時代」と世界を見据える。 (文中敬称略) 【注】カッコ内は卒業年。 |
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