![]() | <95> |
細谷は宇都宮地検を皮切りに新潟、横浜、浜松、沼津、静岡など三十二年間の検察官生活を送った。「法廷という土俵に向け、証拠収集や自白の裏付けに全力を尽くした」という地道な捜査の日々。島根県の松江地検時代、殺人・死体遺棄の「江津事件」に携わったのが特に思い出深い。 五年制の御殿場実業学校第二種一期生。農家の末っ子に生まれ、二歳の時に父親が病死した細谷は「尋常小学校を出て、地元で五年間の中等教育を受けられるのが魅力だった」と打ち明ける。農業実習で作った野菜をリヤカーに乗せて町に売りに行く販売実習は“得意科目”の一つ。「新鮮さと安さで好評だった。得意先を作って、要領良く売りさばいていた」と細谷。余った時間、友人と東山湖でボートを楽しむこともあった。
退官後は公証人として高知県に赴任し、平成三年、御殿場に戻った。「経験が少しでも役立てば」と市民大学などで暮らしに密着した法律を教え、四国八十八カ所巡礼がライフワーク。後輩に「自分を信じ初志貫徹してほしい」とエールを送る。 警察では静岡中央、浜松中央の両署長、県警警備部長、県警察学校長などを歴任した滝静雄(昭2卒、旧姓勝又、故人)がいる。滝は昭和八年に警察官となり、終戦後は混乱した社会の治安維持と新時代にふさわしい警察官の育成に尽力した。退職後にまとめた著作「警察今昔物語」は、静岡県警を中心に全国的な資料も盛り込んだ近代警察史。警察制度改革の“秘話”も掲載され、興味深い。 葛城恒夫(昭20卒、故人)は松崎署長、富士署次長などを務め、柔道は六段の腕前だった。
(文中敬称略)
【注】カッコ内は卒業年。
|
掛中・掛西百年史 榛原高100年史 富士宮農高百年 静岡新聞へ |