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東大一人、京大、浜松医大各二人、慶応大五人、早稲田大七人―。榛原高校の十一年度学校案内は部活動の意義などを紹介する一方、最近三年間の大学合格者数を列挙している。志望分野によって教育課程の組み立てが変わることも明記され、案内書だけを見ても同校がいかに進学に力を入れているかがうかがえる。
同校の全日制は普通科と理数科の二課程。志太・榛原を学区とする普通科は将来の進路に応じて二年生から文科系を志望する文型と理科系を目指す理型に分かれる。学区制限のない理数科は一年生から理科系大学を狙った教育課程で、いずれも進学を最重視した編成だ。
生徒たちの意識も高く、受験に備えた態勢を自主的に取っている。職員室近くの学習ホールは早朝から机に向かう生徒の姿が見られ、昨年末、百周年記念で校舎横に新設された学習館でも生徒たちが復習、予習に余念がない。
学校一丸となった態勢は着実な結果を現している。十一年度は三百二十二人の卒業生のうち、国立三十四人、公立九人、私立百七十二人の二百十五人が四年制大学に、短大や専門学校などに五十九人が進学した。八割を超える進学率だ。しかし、野口校長は「質的には満足していない」と厳しい。合格ラインが高い大学への進学がまだ、不十分だと分析する。 その不十分さは同校がもともと抱える問題点に起因しているとの見方を学校関係者は示した。地域の評価を得ている伝統校に入学したことで生徒たちは安ど感を持ち、がむしゃらに勉強する気迫が欠けがちという。志望先大学の情報収集も遅れ気味だ。そうした同校のおっとりとした雰囲気が、レベルアップとは逆の現状維持につながっているとの指摘だ。 さらに、同校生徒たちの本質にかかわる大きな問題もある。個性の問題だ。進学という共通の目標にまい進するため、どうしても価値観が似やすく、本当の個性が現れにくい。短めのスカートなど服装や髪形の流行を個性だと勘違するケースが目立ち、「君の個性は何か」との問いに対してはなかなか答えられない生徒が多い。 同校はこうした問題を解決するため、積極性と個性を育てる取り組みを強めた。「自ら学習する」をテーマにした「自学」を生徒に奨励し、ユニークな着想の質問、工夫した勉強法を評価して創意工夫とやる気を引き出している。勉強一辺倒に偏らせないため、部活動も重視し、全員参加を基本に据えて生徒に積極的に部活動を行うよう呼び掛けている。 だが、「生徒は目先の試験しか見えず、世の中のことが分かっていない」と指摘する教師がいるほど、進学優先意識は強い。対策も、受験に支障を及ぼしかねないと受け取られると浸透しない懸念がある。個性といった根本問題の克服は意識変革を伴うくらいの対策でないと難しいだろう。 |
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