![]() | <40> |
電子音楽科(昭和六十二年設立)の修学旅行先は八期生まで九州。九期生のシンガポール、十期生の台湾を経て、小泉のいた十一期生からウィーンなどを訪ねている。国際情勢により国内に切り替わった時期もあるが、同科と音楽科、吹奏楽コースの渡航先は近年、東欧の音楽都市に落ち着いている。 旅程は例年六日前後。作曲家の像が並ぶウィーン市立公園やサウンドオブミュージックの舞台で知られるミラベル庭園を散策。ゴシック様式のシュテファン寺院、広大なシェーンブルン宮殿などを巡り歩く。 岩達佐代子(電子音楽科三年)はスーツを着込み、楽友協会での演奏会に出席した。十九世紀に成立した荘厳なホールにブラームスの交響曲が響く。「聴衆がすごい。心から拍手している」。ハイドン、ベートーベンの時代から不変の光景に息をのんだ。 ザルツブルク。黄土色の壁の古びた中層建物を見上げ、河合詳子(吹奏楽コース三年)は胸を高鳴らせた。一七五六年、この建物の四階でモーツァルトが生まれた。幼少時に使ったバイオリンや自筆の楽譜を眺めるうち「楽器を弾いている姿が頭に浮かんだ」という。 美術造形科(平成二年設立)はそれまでの九州・沖縄を改め、八期生からパリを訪ねている。目的地はルーブル、オルセー、ポンピドゥーの三大美術館。ゴッホが命を絶ったオーベールの地にも足を運ぶ。 ピカソ、ダリなど近現代美術の巨匠を扱うポンピドゥー・センターを訪れた山本英雄=平13卒、茨城県つくば市=は、画集で知っていたアンリ・マチスの作品に目を奪われた。“色彩の神様”の大胆な筆遣いが脈打つように迫る。「タッチや絵の具の盛りとか、絵の物質感が伝わってきた」。 特進Cコースもロンドンやパリに渡り、当地の文化財や史跡に触れながら歴史観や語学力を磨いている。
(文中敬称略)
(木、金曜日に掲載します)
|