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放課後、生徒たちは書道部員として自主練習に入った。直角に握った筆を半紙の上で止め、構図を定めて書き下ろす。左手には名跡ひしめく手本の書。一文字一文字、目を離しては出来栄えを見比べる。「三行目の字、でかくない?」「ちょい右寄りになってるよ」。級友同士の「つっこみ」が始まり、にわかに和やかな雰囲気が漂った。 県内初の書道コース一年目は、週八単位の専門科目と部活動を組み合わせた濃密な指導で着実に成果を挙げた。一月までに一期生全員が文部科学省の硬筆・毛筆書写検定三級を取得し、二級合格者も輩出。「高円宮杯日本武道館書写書道大展覧会」など、全国級の書道展で入賞者を出した。 「一期生が少しでも成績を収め、卒業後に実績が残るようにしたい」。山下真利華(二年)は、書道展を励みに力を蓄えたとの思いが強い。展示会は古典を書き写す臨書形式が一般的。「入学当初と今とでは字が全然違う。形が整ってきたのが自分でも分かる」と歯切れが良い。 小中学校で学ぶ書体は楷書と行書程度。これに隷書や草書、篆刻・刻字などが加わる。「昔の人の字をじっくり見て、自分なりに表現したい」と池野智美(同)。書道概論ではさまざまな書の歴史に触れた。「文の意味が分かってから、字を書ければいいと思う」 一年生に範を示す二年生の姿も見られ始めた。三浦恵里奈(一年)は体験入学で「いろいろ教えてもらえそうな空気」を感じて、学芸高を選んだ。「人に『すごいな』と思われる字を書きたい」と胸を躍らせる。 同高によると、浜松市内の書道塾に通う中学生は六千人を超える。「書道をやりたい子は大勢いる。このコースを続けてほしいから、書道展で賞を取ったりして、みんなに知らせたい」(一年、徳増雅)。百年間で埋めきれなかった教育のすき間に、次代を築く若者たちの声が響き始めた。
(文中敬称略)
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