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昭和五十六年、生物部は藤森文臣教諭(52)=富塚町=の指導の下、「底生動物の研究」で県学生科学賞県教育長賞を受賞し、全国大会に論文を提出。佐鳴湖水系の水質を水生動物を使って調べた研究は全国でも高い評価を受け、第二十四回日本学生科学賞で文部大臣賞を受賞した。市立生物部が発足して以来の快挙となる全国大会初出場、表彰だった。 表彰を受けた生物部の部員は一、二年生の六人。二年生だった石津弥生(37)=高34回、細江町=は「八年間先輩たちが残してくれた歴代の研究を、私たちが集大成しただけ」と語る。石津はこの表彰で、全国の上位校だけが集まった天皇陛下への謁見(えっけん)に部の代表として藤森と参加し、全国の優秀校の代表約二十人と普段では見るこのできない皇居の中を見学した。石津は昭和天皇から「『よく精進して勉学に励んでこられた。これからも頑張ってください』という内容のお言葉を頂いた」と振り返る。 表彰式に参加した平野和代(38)=同、和地山=にとって河原などでキャンプをしながら泊まり込みで研究したことは忘れられない思い出だ。「長靴を履いて、いつも川に入っていた。女子高生時代しかできなかった良い思い出」と研究に明け暮れた日々を振り返る。 翌年「蛍の研究」に取り組んだ石津たちは母親になった今でも蛍のきれいな光が忘れられない。「蛍が減って、学生のころと比べると目にすることも少なくなった。子どもたちのためにずっと蛍が生息できる環境を残したい」と二人は声をそろえる。 文部大臣賞を受賞した生物部は一躍、全国に名を知らしめる。その後も数々の論文を発表し、上位を占める年が続く。中でも、昭和五十八年に「カエルの研究―オタマジャクシからカエルまで」で、平成四年に「都田川におけるオオシマトビケラの侵入と分布拡大」でそれぞれ内閣総理大臣賞を受賞したことで、生物の黄金時代が長年にわたって続いている。 藤森は「自分はアドバイザーの立場で指導を続けてきた。研究方法や内容で、積極的なぶつかり合いのできる子どもたちに恵まれていた」と語った。 (文中敬称略)
(水、木、金曜日に掲載します)
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