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西高理数科は、河合九平(昭21卒、坪井)校長時代の昭和六十一年、「ものづくりの都市浜松に貢献する人材育成」を掲げて出発した。県内では既に、磐田南や清水東、韮山などが成果を上げていたが、初代の理数科主任大場駿二(61)=現磐田東高講師=は「一般的に理数科イコール特進コース、という色合いが強かった。西高では、理数科目に秀でた子の能力を最大限に伸ばすという、本来の理数科を実現したいと考えた」と当初の理念を話す。 一学年一クラスの身軽さを生かし、独自の取り組みは多い。二年次には半年をかけて、グループ別の課題研究を実施。静大工学部や名古屋大の教授などを招いた講義実習や、大学・研究施設の訪問も定例だ。 有数の進学校であるだけに、自由な研究活動を重んじてきた半面、受験への対応に悩まされる場面もあった。 二代目主任の西田正夫(53)=現城南高教頭=は「じっくり実験に取り組み、思考、洞察力を育てることと、受験勉強は必ずしも両立しない。点数を取るための技術的なことも、ある程度教えていくように考えた」と現場の腐心を話す。 現在、音響メーカー大手のパイオニアで生産技術に携わる一期生の中村守孝(平元卒、埼玉県)は早い時期から目的意識を持てたことは、自分にはプラスだった」と語る。航空自衛隊パイロットの水野匡昭(平元卒、沖縄県)ら技術、研究職に就く同期は多い。 「課題研究で黄金比を研究し、建築分野に関心を持った」という斉藤良裕(2年)や「遺伝子研究に興味がある」と語る水嶋陽一(2年)ら在学生も意欲おう盛だ。 理数科は中高一貫教育の実施に伴う学校改革で、三年後には閉科となる。創設時から理数科にかかわってきた物理教諭の宮崎貞夫(45)は「自ら考える力を養う課題研究の手法などは、新しい中高一貫教育に生きるはず」と、理数科の歴史が、新生西高の礎となることを期待する。
(文中敬称略、題字は古橋広之進さん=昭和20年卒=)
(火―木曜日に掲載します)
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