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4章 農業に残した足跡(6)

花の産地を支える栽培技術


野牧正雄が10年がかりで作った四季咲きのベニキリシマツツジ「野牧」は今も生産者の間で人気が高い
 引佐町は県内でも有数の花産地。花平、横尾両地区を中心にいわゆる枝物を生産している。

 野牧正雄(67)=49回、同町花平=は祖父、父と親子三代の花農家。「高校時代はずいぶんと遊んだが、花を作るんだという気概はあった」と語る。ハナモモやロウバイなど二十種類以上の花を生産する一方、十年がかりで四季咲きのベニキリシマツツジ「野牧」などいくつかの品種を生みだした。

 花平地区では新屋佳一(53回)、内山武彦(54回)らも数少ない専業農家として産地を支えている。

 「引佐メリクロン」の高井統市(62)=54回、引佐町横尾=は洋ランの品種改良を手掛ける。無菌ルームには最新の装置が並び、大学の研究室を思わせる。

 「品種の掛け合わせは未知数なところに魅力を感じる」。高校時代から品種改良に強い関心を抱き、二十二歳のころ高嶺の花だった洋ランの品種改良を始めた。「花は生活に欠かせない。多くの人に喜んでもらえる花を作りたい」と新品種の開発に挑み続けている。

 田力常治(52)=64回、引佐町白岩=は七年前に県職員を退職してトマトの水耕栽培を始めた。  引佐高から静大農学部に進み、園芸学科で柑橘を専攻。県庁に入庁してからは農林水産部に籍を置き、西部農林事務所などで農家の指導に当たっていた。

 「公務員として指導するばかりでなく、自分で実践してみたかった」。退職金を頭金にして融資を受け、最新の全自動給液装置を備えた温室五棟を建設した。企業的経営を目指すが、「やはり栽培技術が原点。知識だけでは微妙な勘所は分からない」と土とともに生きる農業の難しさを再認識した。

 温室メロンでは細江町の石原東一(59)=58回、同町中川=が県西部でただ一人、コンピューター制御の自動かん水装置を取り入れてメロン栽培を手掛けている。

(文中敬称略)
 

掛中・掛西百年史 榛原高100年史 富士宮農高百年  御殿場高 躍進の百年

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