(2003年10月18日掲載)
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 第4章「想い出」
能力引き出し舞踊教育
 「心も体も真っ白になって開放されて、初めて子供たちの個性が出てきます」と話す村田芳子さん=静岡市内

村田芳子さん(筑波大助教授=昭44卒)

 「舞踊教育は相手の力を生かしながら、本人の潜在能力を引き出すことが重要。個人の能力をいかに生かせるかが面白いところでもあり、難しいところ。新体操と違って減点法ではないので、やればやるほど自分と向き合うし、人とのコミュニケーションもとれます」。筑波大助教授の村田芳子(昭44卒)は舞踊教育学を専門に、表現運動やダンスの学習指導法、生涯学習に向けたダンス・カリキュラムの研究に取り組む。

 昭和四十一年、静岡城北高へ入学。体操部のオリエンテーションを友達と見学したのがきっかけで入部した。「一度やり出すと、途中で投げ出せない性格。三百六十五日、新体操でした。城北の思い出は体操部と顧問の村上(さだ)先生」

 二年生になると、村上が他校へ転勤することになり、「帰り道、先生に『行かないで』としがみついて泣きました」。二年生の高校総体県予選でフープを場外に飛ばすミスなどもあり小差で敗れた。その年はすべて優勝を逃したが、「先生がいない分、練習量だけは負けたくなかった」と翌年の大会は完全制覇した。

 高校卒業後、ダンスの神様と言われる松本千代栄が教授に就く東京教育大(現筑波大)へ進み、教師の道を志す。「村上先生から『先生になるなら女性にしかできないことをやりなさい』と言われました。本当は競技より、文化祭で踊る表現的な方が好きでしたから」

 五十一年に同大大学院を修了後、東京教育大付属中の教諭に就任。三重大助教授、岡山大教授などを経て、平成十二年九月に筑波大体育科学系へ。「モダンダンスは音も動きも衣装も、すべてが自由。私自身がアンテナや感性をさびつかせてはいけないと思います」。学生が創作したテーマや構成などの相談に乗り、一緒に作品を仕上げる演出家的な役割も務める。

 子供の心と体をほぐすという狙いで新学習指導要領の体育科に取り入れられた「体ほぐしの運動」に携わり、小中高校の先生を対象に講習会や講演会を全国で開く。「これからの教育でダンスは大きな可能性を秘めています。授業で踊り好きの子供を育ててほしい」

 毎年、静岡市清水三保の羽衣の松で開かれる「フジ・羽衣シルフィード」の企画を三年前から担当する。静岡城北高の後輩らが羽衣伝説をテーマに創作舞踊を華麗に舞う。「私の母校には伝統が受け継がれています。私もこういう踊る機会が忘れられなくて、モダンダンスに転向したんですよ」

(文中敬称略)
―土、日曜日に掲載します―


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