| (2003年10月19日掲載) |
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| 第4章「想い出」 |
諸田玲子さん(作家=昭47卒) 本紙夕刊で時代小説「化生怨堕羅」を執筆中の諸田玲子(昭47卒)。「あくじゃれ瓢六」(直木賞候補)、「源内狂恋」(山本周五郎賞候補)などを刊行し、今年三月には「其の一日」で吉川英治文学賞新人賞に輝いた。「やっと自分が好きなことを見つけた感じがします。今後は名もないおじいさんやおばあさんなど、人間一人ひとりの歴史や自然を生かした人情ものを書いてみたい」 母の母校だったこともあり、静岡城北高へ入学した。幼いころから読書好き。父が古典を学んでいた影響もあり、高校では国語の科目に興味を持った。「子供のころは人見知りする性格だったので、物語の世界に逃げ込む感じでした。まさか今自分が小説を書くとは思ってもいませんでしたけど」 高校は演劇部に所属。運動会の応援や踊りの振り付けが好きで、「芝居や脚本など自分で作ることが好きでした。熱中するとムキになってしまい、授業をさぼって芝居の練習していて先生に怒られたこともありましたよ。のどかで、おっとりした三年間でしたね」 上智大英米文学科を卒業後、外資系企業の広報に務めた。しかし、リストラに遭い、脚本を小説化するノベライズの仕事を始める。向田邦子や橋田寿賀子、山田洋次など、二年間で二十五冊ほどを手掛けた。「台詞から場面ごとの状況を感じながら作っていく仕事は面白かったのですが、自分で書きたいという思いが強くなりましてね」。ノベライズに携わったことが小説を書くきっかけになった。 地元静岡を舞台にした作品が多い。「次郎長」シリーズが評判で、元旧清水市長の宮城島弘正の要望もあり「坐漁の人」を書き下ろした。「今の時代は束縛や制約がないので、時代小説でないと表現できない世界があります。最初からどの時代を書こうとは思わないで、この人の人生を書きたいと思って取り組んでいます」 時代小説を書きながら、子供のころに学校や自宅周辺で蛍やザリガニを捕まえたことを思い出す。「小説を書き始めて、城北や昔のころの故郷に戻ってきた感じがします。年をとって書ける小説もありますので、最近は『年をとるのも悪くないな』と思います」 平成八年「眩惑」でデビューし、現在は連載を五―六本抱える執筆漬けの毎日。「私は小説を書く前にいろいろな回り道をしてきましたけど、今思うと無駄ではなかったですね。委縮しないで何でも挑戦してほしい。年齢は関係ないと思いますよ」 (文中敬称略)
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| ―土、日曜日に掲載します― |