プロ野球の選手やスカウトとして活躍した伊藤芳明氏
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「母校の後輩をスカウトしてみたかったな」。プロ野球選手として活躍後、五年前まで巨人のスカウトだった伊藤芳明(70)=東京都杉並区、高4卒=は、母校の野球やプロとして活躍する後輩への思い入れが強く、新聞やテレビに登場するとくぎ付けになってしまうという。
伊藤は浜北市出身。高校を卒業後は中央大に進学。二十五歳でプロの世界に入った。巨人に七年間、東映ファイターズ(現日本ハム)に四年間所属し、「剛球」を売りに主力投手として活躍した。昭和三十八年には沢村賞も受賞。現役時代をともに過ごした選手に王貞治、長嶋茂雄などがいる。
引退後はスカウトとして巨人に戻り、約三十年間、チームを陰で支えた。九州から北海道まで全国各地へ足を運び、鋭い視点で球児をプロの世界に導いた。スカウトした選手の中には巨人の元エース定岡正二など有名選手もいる。
4コマ漫画を新聞などに連載する吉本どんど氏
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「順調に育つ選手は心配ない。スカウトした選手がチームになじめず、選手が苦しい表情をしているのを見るのが一番つらかった」と伊藤。「静岡は温暖な気候のせいか、人を押しのける強さを持った選手が育ちにくいが、興誠の“当たって砕けろ”の野球は、今後もプロとして活躍できる選手が出てくると思う」と期待を込めた。
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静岡新聞の4コマ漫画「こつぶちゃん」の作者で業界紙、雑誌などにも連載を持つさいたま市在住の漫画家吉本どんど(浜松市神ケ谷町出身)も異色の職業で活躍する卒業生の一人だ。
吉本は卒業後、すぐに上京した。二十二歳で大手出版社に投稿を始め、少女コミックなどで連載する漫画家の道に。途中で、アルバイトやサラリーマンなどを経験した。
高校時代は美術部に所属した。学校帰り、本屋に通い詰め、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を店員に目を付けられながらも立ち読みした思い出や英語の授業で「必ず一回は手を挙げて質問する」という家庭教師のアドバイスを守り、テストで一番を取ったことなどを懐かしむ。
「とにかく都会に出て、有名になりたい」。上京した理由は、特に漫画家を志望したからでなく漠然とした思いだったという。周りから優等生タイプだと思われていた吉本だが、劣等感に悩むこともあった。
「こつぶちゃん」には同じ思いを持つ人たちへのメッセージも隠されている。吉本は「劣等感と向き合い、それをバネにして人生を歩む大切さを伝えたい」と力を込めた。 (文中敬称略)
(火、金曜日に掲載。題字は興誠学園の神谷正平理事長)
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