(2004年4月23日掲載)

 総合学園
徳育尊重の精神継承
 真剣に授業に取り組む中学1年生=浜松市高林1丁目の興誠中
 後輩の良きお手本となるよう、興誠の歴史に意義ある一ページを築きたいと思います―。平成十六年四月六日。興誠学園中(夏目竜三校長)の入学式が行われ、一期生男子十三人、女子九人の合わせて二十二人が希望を胸に門をくぐった。新入生を代表して、伊藤友香鏡田憲吾が力強く宣誓を述べ、夏目校長が「歴史をともにつくっていこう」と緊張の面持ちの生徒たちを温かく迎え入れた。

 「地球時代の地球市民として、生きる力を育てたい」。夏目校長は中高一貫の教育目標に国際理解の実践を掲げる。その第一歩として、中学一年生の副担任はカナダ出身の外国人教諭を選んだ。教諭と生徒が英語で一人ずつあいさつを交わすことから始まる学校生活。小人数のアットホームな雰囲気の中で、生徒たちは勉強に、運動に励んでいる。

 さらに同市布橋三丁目に四年制の浜松学院大(近藤健彦学長)も開学した。現代の社会における課題を探る現代コミュニケーション学部に、県西部地区出身者を中心に男女ほぼ半数の二百十八人が集まった。近藤学長は世界(グローバル)と地域(ローカル)の視点を併せ持つ「グローカル大学」を目標に掲げ、授業を市民に公開するという試みも始めた。

 中学と四年制大学の開学により、総合学園として大きく変化を遂げた。一方、七十年間、生徒や教師らによって守り継がれてきた創立者廿日出厖(はつかで・ひろし)の「誠実な人であれ」という徳育尊重の精神は今後も変わることはない。

 夏目校長は「大学と高校の施設の共有をはじめ、大学の授業を高校生が受けたり、大学生が高校生の教壇に立つなどさまざまな交流を実現させたい」と新たな取り組みに期待を強める。

 神谷正平興誠学園理事長は「勉強や運動のどれかが優秀でも、人間としての礼儀を知らなかったら世間では通用しない。先生方には、子供たちに知、徳、体の三本の矢が均衡に備わるよう、指導をお願いしたい」とメッセージを送った。

 五月三十日、学園の創立七十周年記念式典が開かれ、幼稚園から大学までの教職員と生徒、学生らが集い、興誠の門出を祝う。

(文中敬称略)

(火、金曜日に掲載。題字は興誠学園の神谷正平理事長)