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第3章 地域と歩む(5)

(2003年1月29日掲載)
「特色ある普通科高」へ
コース制

蓄積された知識を生かして、新しいことを加えていく」。魅力ある学校づくりへの意欲を語る梅原校長 
 平成十二年度からコース制を導入した三ケ日高。専門的な学習や資格取得が可能なカリキュラムが用意され、同校へ進学する際の大きな魅力になっている。

 コース制は、九年連続の定員割れが続いた同校が生き残りをかけて打ち出した秘策だった。平成十年度、同校の定員充足率は七割を切った。当時の校長、吉田修二(雄踏町宇布見)は、存続さえ危ぶまれる現状に危機感を募らせた。これが、文部省(当時)の高等学校教育課程研究指定校に手を挙げるきっかけになった。校内に準備委員会や研究委員会が組織され、全校を挙げて「特色ある普通科高」を目指した。

 翌年、校長に就いた服部克彦(現島田高校長)にも、吉田の意思は引き継がれた。服部は「生徒も教師も自信と誇りをなくし、地域からの信頼も失われていた」と赴任当初の印象を語る。地域との結び付きを取り戻すため、教職員らに「保護者や支援者に町で会ったら、あいさつをしよう」などと訴えた。何度も行われた会議は、学校全体の意識を変えていった。

 最終的に、伝統的な教育活動を基盤に、地域性を生かした「総合文理」「情報ビジネス」「福祉」「環境」の四コースの設置が決定した。導入年度の平成十二年度、十年ぶりに定員を満たし、その後は安定した入学者数を維持している。

 三月には導入初年度の生徒が卒業する。全員の進路はまだ決まっていないものの、専門学校への進学率は確実に上がった。「コース制と直接結び付くかは分からない。だが、何らかの動機付けができたのでは」と現校長の梅原雄一は分析する。

 これから三年間の総括が行われ、課題が洗い出される。「蓄積された知識を生かして、新しいことを加えていく」と梅原。合併問題、少子化など厳しい状況が続く中、魅力ある学校づくりへの努力が続く。

【校史メモ】柑橘科生徒は本校舎よりも農場や研修所に登校し、実験実習に重点を置いた授業に取り組んだ。貯蔵庫温室や農具室など設備が整い、収穫祭や他県への研修も行われた。当時、柑橘科は珍しく、全国から視察者が大勢訪れ、遠方からの入学者も増加したという。

(文中敬称略、題字「自彊不息=じきょうやまず=」は後援会長の鈴木浩太郎三ケ日町長)


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