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富士宮市上井出に平成八年五月オープンした富士開拓農業協同組合の「富士ミルクランド」。組合長の宮沢賢次(昭32卒)は「生産者が生産から販売まで一貫して行い、その過程をすべて消費者に公開することによって『安心、安全、おいしい』を積極的にアピールしたい」と意気込む。
ミルクランド内には宿泊施設「ファームイン富士朝霧高原」があり、近隣の農家で牛の乳搾りや牛舎の掃除などを体験できる。「農業体験をきっかけに農業の生産現場について理解を深めてもらい、消費者と農家の密接な信頼関係を構築していきたい。朝霧高原の農業全体の安定経営にもつながる」と宮沢。「子供たちに関心を高めてもらう場にも」と期待を掛ける。 宮沢の夢は朝霧高原全体を一大『ミルクランド』に育てること。「現在の富士ミルクランドの施設はサンプル的なもの。将来は農家や牧場に泊まることができる態勢を整えたい」と組合員に協力を呼び掛ける。 井出行俊(昭52卒)が経営する富士宮市北山の井出種畜牧場(ミルクハウスいでぼく)は、こだわりの牛乳、乳製品の製造直売で人気を集め、週末を中心に多くの観光客が立ち寄る。 搾りたての牛乳をたっぷり織り交ぜたジェラードは豊潤なミルクの香りが堪能でき、手作りのモッツァレラチーズは牛乳の風味をしっかり封じ込めた逸品。牧場内のプラントで低温殺菌した牛乳の宅配も行う。 宮農卒業後、父の跡を継いで二十三年。井出は「土づくり、草づくり、牛づくり」を信条とする。飼料には非遺伝子組み替えのトウモロコシや大豆を使い、牛舎の状態にも細心の注意を払う。三百六十五日休まずに自ら手掛ける早朝の搾乳では「牛一頭一頭の顔をのぞき込み、肌のつやや鼻の色などで健康状態をチェックする」ことも欠かさない。 「コストは少々高くついても丁寧に丁寧に消費者と牛のことを第一に考えて仕事をする」。こだわりが生んだ「いでぼくブランド」は健康志向の消費者の心をがっちりとつかむ。 (文中敬称略) 【注】カッコ内は卒業年。 |
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