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「山はどんどん奥へ隅へと追いやられている。人間は森林の大きな恵みを受けて生きているんだから、あまりこけにしちゃいけない。しっぺ返しが怖いんだ」。富士宮市小泉で農林業を営む遠藤誠(昭41卒)は昨年秋、気の合う林業仲間二人とグループ「森の熊さん」を設立し、山を守り、生かす運動に力を注ぐ。
ことし四月には東京で開かれた都市の庭作りがテーマの展示会「新宿Garden Ideas」に参加した。総合テーマは「あなたの庭にチョウチョウは飛んできますか」。遠藤らは十五種類の樹木や、自然な木肌を生かしたいす、テーブルなどを出品し、自然の真ん中に畳を持ち込んだようなイメージで庭を作った。温かみのある庭は高い評価を受けた。「都市住民の森林や木材に対する関心の高さが『森の熊さん』の活動を後押ししてくれるに違いない」。遠藤らは勇気づけられた。 「国産のむく材を使った住宅が増えてくれれば何より」。遠藤の最終目標は国産材の復権だ。木材の輸入シェアは八割を超える。日本の林業は衰退し、森林の荒廃が進む。山地に迫る開発やそれに伴う土地の課税評価額の高騰も経営の厳しさに拍車を掛ける。 輸入合材の席巻は有機溶剤などの影響で「シックハウス症候群」も引き起こした。遠藤は「国産のむく材で建てた家は呼吸し、生き続ける」と力を込める。 植林したヒノキや杉が伐採できるまでざっと五十年はかかる。孫の代から先までを見据えるほどの長期的視野がないと林業家は務まらない。「森が貯えた水が流れ出し、微生物などで土が富み、海が肥える。農業も漁業も成り立つし、森が出す酸素で人は生きる。みんなに関心を持ってほしい」。遠藤は林業家の思いがより多くの人に伝わるようにと、「森の熊さん」のインターネットホームページ(http://www10.u-page.so-net.ne.jp/qc4/kesa/)でのPRも始めた。 (文中敬称略) 【注】カッコ内は卒業年。 |
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