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 「名物あれこれ」(2) 移動動物園

触れ合い通し心の教育

 子供たちが歓声をあげる。「本物のポニーに乗ったのは初めて」「ウサギを抱いたけど、フワフワしてるね」。畜産科や動物愛好クラブが地元の小学校や幼稚園などを訪れる「移動動物園」は今年で五年目。子供たちに喜ばれるだけでなく、動物の触り方などを教える生徒たちの顔も輝く。

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移動動物園では、ポニーの乗馬が人気を集める。子供たちも大はしゃぎだ=平成11年ごろ
 移動する動物はポニー二頭、ビーグル犬二匹、芝ヤギの親子二匹、ウサギ五羽と、アヒルやアイガモ、チャボ、ハムスターなどの小動物。トラック二台に分乗して出発する。毎回生徒約十五人が交代で担当。さくの中でアヒルやアイガモを歩かせ、ビーグル犬は綱を付けて散歩、ポニーは乗馬体験などで子供たちを楽しませる。

 移動動物園は平成九年に富士市保健所の要請を受けて老人ホームを訪れたアニマルセラピーがきっかけ。その後、小学校や幼稚園、養護学校へと広がっていく。回数も年間十数回に増えた。

 生徒の側も「見せる動物園」にするための工夫や努力が欠かせない。動物についての知識はもちろん、触り方の注意事項などを子供たちに分かりやすく説明する。ポニーの毛並みをそろえたり調教したり、犬やヤギをきれいに洗うなど身だしなみにも気を配る。

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家畜慰霊祭で献花する畜産科生徒ら=平成12年12月
 訪問先の施設からは、子供たちが書いたお礼の文集が届く。感想には動物の感触について述べたものが多い。畜産教諭の飯田英毅は「動物と触れ合い、実際に触れて感触を確かめることの大切さを、子供たちに気付かされる」と話す。

 毎年十二月末、畜産科生徒、教職員らが集って飼育動物の霊を慰める「家畜慰霊祭」が畜魂碑の前で行われる。牛舎の一角に建てられた碑は改築に伴い昨年、南農場に移設された。碑の周辺には平成十五年に動物との触れ合い広場が完成する予定だ。

 畜魂碑の建立は昭和五十五年十二月。当時の校長勝又善富が揮ごうした。勝又は「家畜を愛し、大事にする心が自然と生徒の中に芽生えた」と振り返る。

 十年ほど前から家畜動物にとどまらず、動物全般の知識を深めようとする「動物教育」が導入された。犬やウサギなどペット動物が加わったことで、親しみやすくなった。なついていた動物が死んだときには泣きながらお墓を作り、花を供える生徒もいる。畜産学科長の坂本俊は「生き物の死に直面するのも勉強。命の大切さを教える心の教育の一つ」と強調する。

(文中敬称略)

【注】カッコ内は卒業年。


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