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生物のもつ機能を生産、医療、品種改良などに応用するバイオテクノロジー。宮農のバイオ実習は約二十年前に始まった。高校レベルでは全国でも珍しい遺伝子工学の分野まで踏み込む。
卒業後、植物工学の研究員になった野田宗弘(平3卒)は、実習でバイオに触れたことで将来の道を決めた。「試験管の中で植物が生きている様子を目のあたりにして、その素晴らしさ、不思議さを実感した」ときっかけを語る。 バイオ技術による培養は、ウイルスや病原菌のない良質な作物を育てられるのが特徴。苗の成長を均一にして収穫の時期をそろえることも可能だ。実習の一つに、朝霧高原に自生する希少種、キスミレの培養がある。限られた場所にしか咲かず、数が少なくて繁殖しにくいキスミレをバイオで増殖させようと約十年前から取り組んでいる。生育まで持っていって自生地の朝霧高原に戻すのが目標だ。 畜産科の実習には、昭和三十八年ごろに酪農用に開墾された朝霧農場(富士宮市麓)での牧草づくりが欠かせない。広さ約十ヘクタールの農場で、大規模酪農経営を視野に入れ、OBらが開墾した。畜産科の教諭岡本憲明は「演習林として杉やヒノキを植えていた土地をきれいにし、石灰や肥料をまいて牧草に適した土地へと大規模に作り替えた」と懐かしむ。生徒は週三回農場に通い、雑草取りや肥料やりを続けて牧草を育てる。一番草から三番草まで一年に三回ある収穫期には、こん包やトラックへの積み込み作業をする。干し草は一ロールの大きさが直径一・二メートルになるものもあり、大量の干し草を手作業で扱った当時の生徒らには重労働だった。昭和四十年代からトラクターや草刈り機などの機械が次々と導入され、作業は著しく効率的になった。 農業土木科の特徴は平成三年ごろから始まった「現場実習」。市内の建設会社などに一週間体験入社し、社員に指導を受けながら建設業務に携わる。橋やダムなどの建設現場を見学したり、現場監督について回る。現場で使われている最先端の測量機械などに触れられるのも生徒にとっては大きな魅力だ。富士宮市精進川の藁科組は、毎年宮農生の現場実習受け入れをしている。同社員の梶秀樹(平10卒)は「生徒たちは、想像以上の多様な機械や業務内容に驚きながらも現場に溶け込み、のびのびと学んでいるようだ」と温かく見守る。 (文中敬称略) 【注】カッコ内は卒業年。 |
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