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 「名物あれこれ」(4) 行きつけの店

お好み焼きに学割中華

 学校から徒歩五分ほどにある「かさや商店」。昔ながらの小ぢんまりとした作りの店先には色とりどりの駄菓子が並び、奥では名物のお好み焼きを焼いてくれる。昭和四、五十年代から平成初期にかけて、宮農生でにぎわった。

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卒業生が訪れては「懐かしいなあ」とつぶやく店構え。一押しは村下さんのお好み焼き=富士宮市矢立町の「かさや商店」
 月に一度は陸上部の練習帰りに立ち寄ったという金森繁久(平3卒)は「シンプルなお好み焼きの味も、店の雰囲気も懐かしい。いつも仲間二、三人と店に行ってはその日の部活の話や日曜日の遊びの計画で話が弾んだ」と思い出す。

 店は七十三歳の村下ハツエさんが一人で切り盛りする。約四十年前に駄菓子屋を開き、少しずつ商品を増やしていった。十年ほどして、お好み焼きも始めた。当時はキャベツの入った「並お好み焼き」とほんのり甘みを付けた「もんじゃ焼き」の二種類。五円で食べられた。

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清さん夫婦が作るラーメンは「学割」付き=富士宮市中央町の「キヨシ」
 村下さんが味の研究を重ね、日々愛情を込めて焼き上げるお好み焼きを「どこのお好み焼きよりもおいしい」と生徒たちは絶賛する。イカ入り、肉入り、ミックス焼きのほか、焼きそばやうどんなどメニューは増えた。

 放課後、腹をすかせた宮農生が団体でやって来ては、限られた小遣いでお好み焼きや焼きそばを食べて長居をする。生徒の無邪気な話し声で店は活気にあふれた。村下さんは「よく見た顔の卒業生が、大人になり、今も子供を連れては店に何度も来てくれるのがなによりうれしい」とほほ笑んだ。

 富士宮市中央町のラーメン店「キヨシ」は部活帰りの運動部生徒らでごった返す。制服を着ている生徒は全品五十円引きになる「学割」が好評。チャーハンやみそラーメンなど五百五十円のメニューが多く、学割がきくと五百円玉一個で食べられる。生徒にとってはありがたい値段だ。

 石川裕之(平3卒)は帰宅途中に寄り道してはチャーハンやみそラーメンをよく食べたことを覚えている。「入りやすい雰囲気の店で、二、三人の仲間と一緒によく立ち寄った」と話す。

 二十二年間ラーメンを作り続けているのは、清幸雄さん、弘子さん夫婦。野菜をたくさん乗せたみそラーメンには太めんを、あっさりしたしょうゆラーメンには細めんを、とめんの種類にこだわって使い分ける。

 高校時代に仲間と通い詰めた生徒らは、卒業後も夫婦連れなどで訪れ、懐かしい味を楽しむ。清さんは「制服が変わり、髪形や服装など外見が変化しても、腹をすかせて仲間とラーメンを食べに来る生徒たちの顔はいつの時代も変わらない」と見守る。

(文中敬称略)

【注】カッコ内は卒業年。


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