<47>

 「座談会」 OB・保護者(上)

元気な農業担う若手を

 総合学科化に向け、大きく踏みだそうとしている富士宮農高。学校の将来やこれからの農業の在り方についてOBや保護者、生徒に語り合ってもらった。司会は増田嘉徳校長。

fujinomiya
農業への思い入れを語る(右から)桑原康さん、望月昌代さん、遠藤忠義さん=富士宮農高
 ―農業の現状をどのようにとらえていますか。

 百周年実行委員長・後援会長遠藤忠義(昭18卒) 農業関係者の多くは「冷遇されている」と感じている。産業の中での農業の相対的な役割が薄れ、ネガティブかも知れないが、ばら色の将来は描けない。

 富士宮市助役中村伸介(昭30卒) 食糧自給率のアップは至上命題。環境上の重要性も指摘されている。担い手の養成が急務です。農業の魅力や基本的な意味合いについて理解を深める教育が小学校などで今以上に盛んになればと思います。

 PTA会長遠藤勇次 昔は一族総出で田植えをするなど、自然に農業と触れ合う機会がありましたが、天候や病害虫などに左右されることも多くとにかく大変な仕事です。加えて今は、乱開発や環境の悪化などが追い打ちを掛けている。

 養豚業・種畜販売業桑原康(昭46卒) 県内一だった富士宮の養豚も昭和五十年代から低迷。でも、逆境だからこそ良いものが生まれるのではないでしょうか。私は日本初の種豚精液の宅配販売や、精液保存剤の開発に取り組んで来ました。

 ―農業を元気にするためには何が必要でしょうか。

 酪農業・PTA副会長佐々木康(昭42卒) 働きやすい環境の整備が重要。富士開拓農協ではヘルパー制度を導入し、なかなか休めない家族労働の酪農家を助ける仕組みを実践しています。世襲制度の根強い朝霧高原ですが、少し外からの人を受け入れる努力も必要ではないでしょうか。

 茶業・直売店経営望月昌代(昭48卒、旧姓堤) 昔ながらの家族経営の形にこだわりすぎではないか。やれる人がやれることをやるというような柔軟な仕組みにしないと、農家にお嫁に来る人はいなくなる。私は農高で「花を咲かせるより花を咲かせる土になりなさい」と教わりました。自信を持って農業に携わり、その魅力を人に伝えられるようになりたい。(文中敬称略)

【注】カッコ内は卒業年。


掛中・掛西百年史 御殿場高 躍進の百年 榛原高100年史 静岡新聞へ