<100完>2002年3月3日掲載

エピローグ

巣立ち

「学び続ける力」を胸に
巣立ちを迎え、逍遙歌を歌う卒業生ら=沼津東高
 「同窓会には親ぼくと母校の発展を願うという二つの目的があります。社会に出た後も、その事を念頭に置いて立派な人間になられることを期待します」。卒業式の前日、三年全員が集まった体育館に同窓会副会長・梶原亨(昭19卒)の声が響いた。同窓会入会式は東高ならではの最後の“儀式”だ。

 生徒には、証書のファイルと同窓会名簿が記念品として贈られた。ファイルには卒業証書はもちろん「これからの人生の記録をとどめてほしい」との大先輩らの思いがこもる。式に続いて、東京香陵会や裾野香陵会など各地区の同窓会から、集いの案内が生徒らに伝えられた。「最前線に立つビジネスマンの先輩に接する機会」「同窓生として新入生を一緒に迎えよう」。新同窓生を歓迎する気持ちを伝えた。

 同窓会役員らは「入会式は平成二年ごろ始まったのではないか。落成前の香陵記念館に集まったこともあった」と記憶をたどる。梶原は「式は同窓会員としての自覚を持ってもらう一つのけじめ。自分たちがしてもらったことに感謝し、今度は後輩たちに返す気持ちを持ってほしい」と期待する。

 卒業後、同窓生のかなめとなるのがクラス幹事。各クラスから一人ずつ選ばれ、代表幹事が同期をまとめる。三年の代表幹事・宮下藍海は「卒業後もクラスのみんなと集まりたい」と幹事に立候補した。「フォークダンスの委員長だった最後の香陵祭が一番の思い出。この学年はいろんな面白い人がいて、明るくて仲がいい。就職する前の大学四年ぐらいで一度、同窓会が出来たら」と四年後の再会に思いをはせる。

 卒業式では校長・津田公男(昭35卒)が「今求められるのは、自分で自分の体に合った服を作る能力。みなさんは“学び続ける力”“見えない物を見る力”を東高で培ってきたはず。自信を持って」と巣立ちの時を祝った。来賓は「パイオニア精神を磨き続けて」「さまざまな物の見方を知ってほしい」と次々とはなむけの言葉を卒業生に贈った。

 式を締めくくるのは逍遙(しょうよう)歌。歌い継がれてきたメロディーが体育館にこだまする。“自治の里”での三年間を胸に、百年目の卒業生二百八十九人が飛び立った。

(文中敬称略)
【注】カッコ内は卒業年。

掛中・掛西百年史 榛原高校百年 富士宮農高百年 御殿場高 躍進の百年

引佐高の百年 田方農高の百年

静岡新聞へ