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第2部 輝く

室伏 稔
(伊藤忠商事会長)

先輩に恵まれ文武両道

「若者は世界に目を向け、チャレンジしてほしい」と話す室伏稔伊藤忠商事会長=東京・北青山の伊藤忠商事本社
 通学途中の御殿場線の車内で乗り合わせた進駐軍の米兵に話しかけ、英会話を勉強した室伏稔(昭25卒)は「戦時下で英語が敵視される時代風潮の中でも沼中はしっかり英語を教え、本当に自由な雰囲気の学校だった。湯山孝先生という立派な英語教師もいた」と振り返る。

 商社マン生活四十五年で培った人生観は「NOTHING IS IMPOSSIBLE(不可能なことはない)」。裏返せば「どんなことでも努力すればできるという気持ちで挑戦する」。

 室伏の沼中、沼津東高時代は柔道と野球に明け暮れ、文武両道を実践した。東大に進んでも柔道と英語クラブだけの日々。柔道部OBの永野重雄(元日本商工会議所会頭、故人)、桜田武(元日経連会長、同)らが来ては「就職は心配するな。柔道だけはきちっとやれ」と激励された。海外での仕事を目指した室伏は、外交官も考えたが大学に入る時に二浪していた。「さらに外交官試験を受けるとなると三年の遅れが出てしまうのであきらめた」という。貿易会社や船会社も検討し、最終的に伊藤忠商事に入った。

 小山町の金時山のふもとで育った室伏は、子供のころから相撲が得意だった。各地の神社の奉納相撲で優勝を重ねた。沼中で柔道を始めたが、終戦で一時禁止され、甲子園に出場した先輩にあこがれて野球部へ。「自宅から学校までは御殿場線で往復三時間。朝五時に起きて、野球の練習を終えて帰ると夜の十時過ぎ。そういう生活を六年続けた。私以上に朝早くから二食の弁当をつくり続けたおふくろが大変だったと思う」

 十三年間の米国生活で世界中のトップと出会い、人と人との付き合いの大切さを学んだ。若者には「絶えず世界に目を向け、チャレンジ精神を持て」という。「勉強は大事。必ず役に立つ。しかし、それだけでは駄目。スポーツやサークル活動にも参加することで広い人格形成ができる」

 伊藤忠アメリカ社長の時にビル・クリントンの大統領就任式に出席した。「彼は高校生の時にケネディ大統領と握手したことがきっかけでホワイトハウスを目指した」。「高校時代にきちっと人生の目標を決め、それに向かって努力することが大事」と母校の後輩にメッセージを送る。

(文中敬称略)
【注】カッコ内は卒業年。

掛中・掛西百年史 榛原高校百年 富士宮農高百年 御殿場高 躍進の百年

引佐高の百年 田方農高の百年

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