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第6部 切り開く

弁護士

紛争解決に高い専門性

東高卒では初の同窓会長になった松岡宏さん=沼津市内
 松岡宏(昭28卒)は今年十月の記念式典で、十一代同窓会長に就任した。初の東高OB会長として同窓会をけん引する。「若い世代がより積極的に参加できる、風通しのいい同窓会を目指したい」と抱負を語る。

 松岡はサラリーマンを一年経験した後、沼津市内で家業の時計・宝飾店の仕事をしながら司法試験の準備に取り組んだ。「弁護士は広く浅く世の中を知っておくことが必要。結果的に無駄にならなかった」と振り返る。

 三十五年の弁護士生活で、民事は「できるだけ和解する」ことをモットーにしてきた。「判決での解決はお互いにしこりが残るうえに、費用、時間、精神的な負担も大きい」。松岡と同年卒業には、元県弁護士会会長の望月保身がいる。

 井口賢明(昭30卒)は平成五年から一年間、県弁護士会会長を務めた。当時、約百八十人だった会員はこの八年間で二百二十人に増えた。「弁護士の数が増えたと言っても、需要も増える一方でまだまだ足りない。特に若い弁護士が地元に戻ってきてくれれば」と期待する。井口は県収用委員会会長も経験し、国道1号静清バイパス建設の用地問題にもかかわった。

 平成八年十一月、東京・文京区で会社員の父親が、当時十四歳だった長男の家庭内暴力に悩んだ末に寝ていた長男を金属バットで殴り殺した。二年間の“密室”での暴力の果てに起きた悲劇は、世間の耳目を集めた。主任弁護人を務めた末吉宜子(昭48卒、旧姓早川)は「どの家でも起こりうる事件。暴力を受け続けることが、人間に及ぼす恐ろしさを感じた」と振り返る。

 父親はカウンセリングを受け、家庭内暴力に悩む親の会にも参加していた。末吉は「出来る限りの努力をしたが、それを受けとめる社会的なサポートがまだまだ不十分だ」と感じた。法廷では執行猶予を求めず「被告人が背負った痛みを社会も背負わなくてはならないのでは」と問いかけ、弁論を締めくくった。懲役三年の判決だった。

 末吉は豊田商事事件、HIV訴訟の弁護団にも名を連ねた。「依頼者とのコミュニケーションを通じて、問題を掘り下げることを心がけてきた。紛争解決のために依頼者にとって何が必要かを専門家の立場から意見を言い、一緒に探していきたい」と話す。

(文中敬称略)
【注】カッコ内は卒業年。

掛中・掛西百年史 榛原高校百年 富士宮農高百年 御殿場高 躍進の百年

引佐高の百年 田方農高の百年

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