<82>2002年1月20日掲載

第6部 切り開く

仏教界

失明者救う献眼に奔走
アイバンク運動の第一人者として力を尽くした勧山弘さん=沼津市末広町の真楽寺
 昭和三十九年七月、沼津市内で通夜を済ませた真楽寺住職の勧山弘(昭12卒)は、遺族から「今から医者が来るんですよ」と告げられた。「通夜の後に何のために」といぶかる勧山に、遺族は故人がアイバンクに登録していた事を説明した。

 アイバンクが設立されて、まだ間もなかった。「角膜移植で目が見えるようになるという事は知っていたが、具体的にどういうものか分からなかった」。その日の深夜、東京からタクシーで駆け付けた医師に頼み、勧山は眼球の摘出手術を見学した。「善意のバトンタッチで失明者に光が戻る」と勧山は感激し、アイバンク運動にのめり込む。

 所属する沼津ライオンズクラブにも働きかけ、アイバンク運動は主要事業として取り上げられるようになった。「はじめの十年ほどは“仏様から目玉を取るとは僧りょのすることか”と非難も受けた」と勧山は振り返る。今では登録者数は全国で百十一万人を超え、国外にも運動の輪は広がっている。現在、勧山は日本アイバンク運動推進協議会総裁。「運動をリードしてくれるような後継者を待っている」と期待を込める。

 片山日楽(昭19卒)は法華宗四大本山の一つ、光長寺の七十四代貫首。生家である伊東市宇佐美の安立寺住職も兼務し、十二年一月からの二年間は日本仏教会副会長を務めた。

 今年は開宗七百五十周年にあたる。記念事業として平成十年から本堂の増・改築、彫刻家堤直美さんによる日蓮聖人像の制作などを行ってきた。今年四月には大法要が予定されている。

 桜の名所としても地域に親しまれている同寺は五つの坊を持つ。「一般の信者を大切にするためにも、本山が襟を正す気持ちを忘れず、まとまっていることが大切」と強調する。

 ほかにも県教育委員を務めた沼津牧水会理事長の乗運寺・林茂樹(昭32卒)、元沼津市青年仏教会会長の本光寺・木村光正(昭53卒)、馬頭観音をまつり乳牛や競馬関係者らがはせ参じる円通寺の先代・関隆一(昭8卒)、大妻女子大教授で福祉関係の書籍を集めた「厚生総合図書館」を自宅に併設した楞厳院・原田克己(昭32卒)らがいる。

(文中敬称略)
【注】カッコ内は卒業年。

掛中・掛西百年史 榛原高校百年 富士宮農高百年 御殿場高 躍進の百年

引佐高の百年 田方農高の百年

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