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 第3章 農業に生きる 

プチベール

地産地消で将来に活路
 「学生時代から珍しいものが好きだった」と話す山本孝雄(昭36卒)=清水町久米田=がプチベールと出合ったのは約八年前。芽キャベツと青汁用ケールを掛け合わせた新奇の野菜を一目見て、「これだ」と胸が高鳴った。五戸の生産農家で「JAなんすんプチベール部会」を結成したのはそれから間もなく。山本が部会長を務め普及を率先する。

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「プチベールは和洋折衷どんな料理にも使える」魅力を話す山本さん=清水町
 最初は二百―三百苗ほどの家庭菜園的な取り組みから始まった。県西部地域で盛んだったプチベール栽培を参考にし、試行を繰り返した。現在は十アールの畑で約千八百本を栽培するが、「満足がいくようになったのは三年前ぐらいから」と山本。販路獲得に苦労したのが印象に残っている。

 首都圏の大型食料店などに直接出向き、店頭で必死の売り込みをかけた。消費者はなじみの薄い野菜にすぐに反応はなかったが、山本たち生産農家は手塩にかけた野菜に自信があった。「気恥ずかしさもあったが、とにかく一口試食してくれと声を張り上げた」。

 出荷先のメーンは関東の大消費地だが、昨年から今年にかけて流通体系に変化が現れている。JA静岡経済連が安全性に配慮した農産物を認定する「減農薬栽培農産物」のお墨付きを受けたことで、安全、安心な食を求める消費者の関心が一気に高まった。沼津や三島などの近在市場に出回り、山本は「流通の幅が急速に広まりつつある」と手ごたえを実感する。「流通コストも軽減するので地元での購買層拡大は欠かせない」と将来をにらむ。

 プチベール部会の結束力は固く、定例会はみな夫婦同伴で出席する。「日持ちが良く、健康野菜として近所での評判も右肩上がり」と声を弾ませるのは、沼津市西部地区でプチベールを栽培する深沢貞博(昭49卒)=沼津市井出=。茶栽培と共に十アールの畑で千三百苗を育てる。

 「化学肥料に頼らない栽培法で市場の信頼を得たことが大きい」と消費者の支持に自信を深めながらも、「消費と単価のバランスを整えるのが課題。ここ一、二年は地盤固めに力を注ぎたい」と意気込む。「農山漁村ときめき女性」の認定を受けた妻の園美も、バラエティーに富んだプチベール料理に積極的。主婦の視点でシチューや焼きそばに加えるなどアイデアが豊富だ。

(文中敬称略)

【注】カッコ内は卒業年。


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