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 第4章 続・歩み 

学校かいわい(2)

「保育」で乳幼児と交流
fujinomiya
乳幼児と視線を合わせ、和気あいあいと交流する生徒たち
 校舎南側の一角にある平屋建ての合宿所。「赤ちゃんの笑顔ってかわいい」「泣いちゃった。どうしたのかな」。こんなやりとりが聞こえるのは家庭科の選択授業「保育」の時間。沼津市内の子育て支援サークル「エンゼルサロン」の乳幼児とその母親が月に二回ほど同校を訪れ、三年生の生徒たちと交流を重ねている。

 思いやりの心をはぐくみ、男女の自立や親子のきずななど、将来の家族の在り方について学習を深めるのが狙い。地域とタイアップした城北高ならではの取り組みで、ことし三年目を迎えた。

 「保育」を選択するのは男女合わせて二十人。六十畳ほどのスペースで毎回約二十組ほどの親子と向かい合う。核家族化で兄妹の少ない生徒にとって〇―三歳の乳幼児と接する体験は貴重で、母親を囲んで出産時のエピソードや苦労話にも興味深く耳を傾ける。おもちゃで遊ぶだけでなく、ほ乳瓶でミルクを与えたりおむつ交換にも意欲的に挑戦し、子供を優しく抱き上げる手つきはすでに慣れたものだ。

 福岡恵(三年)は「赤ちゃんは話せないなりにも伝えたいことがあるみたい」と個性や自己主張の存在を知った。「将来自分も母親になるけれど、家に引きこもらないで自宅外でいろいろ話したりできる場が必要ではないのかな」。生徒は触れ合いを楽しみながらも熱心に学び、家庭科教諭の高木ゆかりは「虐待などの社会問題についても自然と考えるきっかけになっている」と授業の効果に期待を寄せる。

 男女共同参画の実現を見据え、平成六年の学習指導要領の改訂で高校生も男女共に家庭科が必修科目になった。城北高ではいち早く実体験の大切さに目を向け、授業の充実に力を注いできた。男子の一人、杉山信吾(三年)は「将来は人と接する福祉の仕事がしたい」と意気込む。「最初こそ戸惑いがあったが、顔を近づけて視線を合わせることで自然と笑顔が出るようになった」と接し方のこつを心得た様子。昨年は授業の一環で男性保育士の講演を聞く機会もあり、生徒の職業観の育成を後押しした。

 高木は「地域のバックアップも心強い」と強調する。ことしは地元の門池地区自治会が区費の一部を寄せ、ボランティアや主任児童委員らも面倒を見に訪れる。「生徒たちはリラックスした雰囲気の中で伸び伸びと授業を楽しみ、大人に接するマナーも身に付けている」。学校近くの光長寺保育園での実習も恒例となり、授業内容も年々厚みを増す一方だ。

(文中敬称略)

【注】カッコ内は卒業年。


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