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 第4章 続・歩み 

学校かいわい(3)

青春見守る大クスノキ
fujinomiya
登校する生徒で活気づく光長寺前のバス停付近(1991年の卒業アルバムより)
 昭和四十年代まで続いたのどかな田園風景も時代とともに宅地化し、交通網の発達でにわかに煩雑化した城北高かいわい。学校周辺には生徒に思い出深い場所も数多い。

 「陰に隠れていたずらしていた生徒さんもいましたよ。ギョロっと目をやると首をすくめて退散していきましたが―」。生徒の姿を懐かしむのは光長寺執事の石田智清。学校から約百メートルほど離れた光長寺前のバス停付近は生徒の「たまり場」。寺の正門には樹齢数百年のクスノキがのびやかに葉を広げ、バスを待つ生徒が強い日差しを避ける光景は今も変わらない。

 「境内でドングリを拾って遊んだ」「女生徒との待ち合わせ場所だった」と青春の一ページを振り返る生徒もいるが、「バスを待つ間に煙草を吸った」と声を潜めるOBも。「農家の牛舎から牛が顔をのぞかせた」というバス停から校舎まで続く道幅の狭い道路は昔の面影を少なからずも残している。

 足を伸ばすと、生徒たちが体育の授業や部活の体力づくりで周辺を走り込んだ門池がある。夫婦のきずなを伝える民話が残る沼津の名勝で、かつては農業用水に利用されていた。今は約十一・八ヘクタールの広大な公園として整備され美しい景観を見せている。「昔は貸しボートもあり、放課後や休日に友人たちと釣りをしてよく遊んだもの」と四季の変化を楽しみながら友人と戯れたことを思い出すOBは多い。

 現役生の御用達の一つは、ぐるめ街道沿いのコンビニエンスストア。一方で校舎すぐ西側の駄菓子屋「キタゾノショップ」も部活帰りの生徒らになじみ深い。経営する木下茂子(70)は「結婚したり、子どもが生まれたよと卒業生が立ち寄ってくれるのが楽しみ」と声を弾ませる。昭和六十年ごろ「北部高(当時)の生徒さんをターゲットに」と開店。十坪の店内に駄菓子類や昼食用のパンやおにぎりがずらりと並び、食べ盛りの生徒が列を作った。

 六年前、店主だった長男俊英の急逝で店を継いだが、今は規模を縮小して営業時間は午後から夜の七時ごろまで。「シャッターが閉まっているのを気に掛けて『おばちゃん、お店やめちゃうの』という生徒の声もある。でも体が続く限り続けていきますよ」と生徒の成長をいつまでも見つめていく心積もりだ。

(文中敬称略)

【注】カッコ内は卒業年。


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