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第1章 卒業生の思い

(2003年5月15日掲載)
保存や伝承事業を継続
ポーラ伝統文化振興財団理事長
 石山博氏(67)

高校時代はラグビーに打ち込んだ石山博氏=東京都内

 石山博(昭29年卒)。昭和二十六年に入学した。当時の校名は静岡城内高。校舎は現在の駿府公園内にあった旧静岡三四連隊兵舎。グラウンドは雑草が茂り、石ころだらけだった。一年生から三年生までを縦割りにした四十人ほどのホームルームが設けられ、各学年の枠を超えて生徒たちが一緒に過ごした。「先輩から校風を教えられ、早く学校に慣れることができた」

 放課後、同じホームルームの先輩が黄色と黒の横じまのジャージー姿でラグビーの練習に打ち込んでいた。「格好が良く、あこがれた」。間もなくラグビー部に入り、ラグビー漬けの毎日が始まった。

 練習は草取り、石拾いから始まり、日暮れまで続いた。細身で機敏だったことから、バックスを担当した。「ラグビーの魅力は十五人が気持ちを一つにして、自分を犠牲にしてもボールを生かすチームプレー、チームワーク。強くはなかったが、夢中になってやった」

 早稲田大政経学部を卒業した昭和三十三年、ポーラ化粧品本舗に入社した。宣伝、広報などを担当し、広報担当の取締役、理事を歴任、平成十一年に財団理事長に就任した。財団は日本の伝統文化を支援するため昭和五十四年につくられた。「文化にかかわることで社会に貢献しようと、ポーラ化粧品本舗の創業五十周年を記念し、財団が設立された」

 財団は工芸技術、芸能、行事など優れた無形文化財の保存や伝承、普及、振興のため、奨励、助成、記録、作品保存など幅広い事業を続ける。そのうちの一つ、奨励事業ではこれまでに約百八十人に伝統文化ポーラ賞を贈っている。工芸技術、伝統芸能などを35ミリフィルムに収めた記録映画も評価が高く、日本紹介映画・ビデオコンクール金賞などを受賞した。

 「伝統文化では後継者不足が起きている。工芸にしても、需要がそれほど多くないので生活しにくく跡を継ぐのが難しいなどの状況がある。原料不足も現れている」。危機感は強い。

 県内にも優れた伝統文化がある。三年前、静岡市内の金剛石目塗がポーラ賞を受けた。「日本の伝統文化の振興のために、少しでもお役に立ちたい」

(文中敬称略)

(火、水、木曜日に掲載します。)



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