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竹内勤(昭39卒、慶応大医学部教授)。橋本龍太郎元首相が提唱しバーミンガム・サミットから本格的に動きだした国際的な寄生虫対策を担う研究班の班長に就任して四年。タイやガーナなどで寄生虫制圧のための人材育成研修が行われるなど対策は着実に進んでいる。 今年三月、東京で国際シンポジウムも開かれ、基本政策のすり合わせや地域の実情に合った活動を維持するための方策も決まった。「日本は国際的な寄生虫対策に非常に深く関与している」 最大の課題はマラリアを引き起こす寄生原虫。「マラリアの最大流行地はサハラ砂漠以南のアフリカ。患者は三、四億人、うち死者は一年間で百万人を超えるとみられる。マラリアになるのは就学前の幼児が多い」。貧血、発育不良をもたらす回虫、鉤(こう)虫対策にも力を入れる。 貧しく、衛生思想が行き届いていない地域で寄生虫疾患が広がる。それだけに衛生教育が重要な役割を果たす。「衛生教育の研修を受けた人が母国の学校教師に内容を伝える。さらに先生が生徒に、生徒が親に伝えることで衛生思想を広げてもらう」 当事国の立場に立った支援を心掛ける。「薬をもらっただけでは服用の理由をきちんとつかみ、衛生状態を向上させようという気持ちにはなりにくいと思う。病気を防ぐためにはその国の人たち自らが意識、行動を変えることが必要。教育こそがワクチンです」 静高時代はハーモニカバンド部。弦楽器、管楽器もそろった小規模なオーケストラ並みの編成だった。放課後、練習に没頭し、文化祭などで演奏を披露した。部員同士の仲も良く、卒業後も付き合いが続く。「人生で一番楽しかった時代」 昭和三十九年、慶応大医学部に進んだ。四年の時に寄生虫学教室の研究に加わったのが縁で寄生虫学を研究対象に選んだ。WHO(世界保健機関)が熱帯病研究特別計画をつくり、膨大な資金を投入した昭和五十年代以降、寄生虫対策は国際的な事業になっている。海外での仕事も多く、忙しい日々が続く。 若者への期待は大きい。「古典の本をじっくり読んでほしい。自分で解釈し、内容を評価し、他人に説明できるくらいに。それと自分なりの世界観を持ってもらいたい。世界は広いということを素直に受け入れる素地をつくってほしい」 (文中敬称略) (火、水、木曜日に掲載します。) |