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第1章 卒業生の思い

(2003年5月28日掲載)
CADで中小企業支援
テクノポリス推進機構客員研究員
 三浦曜氏(56)

CADの果たす役割に触れる三浦曜氏=浜松市内

 三浦曜(昭40卒、アメリオ社長)。在学中の昭和三十八年夏、静高野球部が県大会を制し、三年ぶりに甲子園出場を決めた。三十五年の準優勝以来、苦杯をなめ続けただけに学校の喜びもひとしおだったという。

 試合前日、応援のため、友人と二人でヒッチハイクで大阪に向かった。静岡市内からトラックを乗り継ぎ、奈良に着いたところで日が暮れ、若草山で寝袋にくるまった。翌日、トラックで大阪に到着し、選手たちに大声援を送った。「旅費がなかったのでヒッチハイクを選んだが、たどり着こうと必死だった。甲子園名物かちわりの味は忘れられない」

 パイロットを目指したが、視力が十分でなかったため、あきらめ、京都大に進学した。「飛行機を造る方に進もうと思った」。航空工学を専攻し、同大大学院博士課程を中退して大手企業に入社した。在籍中、船舶設計に使うCAD(コンピューター利用設計システム)を構築した。「CADによって製造時間が短縮され、生産コストも削減できた」

 CADを多分野で利用しようと昭和五十八年、独立、起業した。大企業向けにCADを作ったり、改良したりして業績を着実に伸ばしたが、平成八年、退任し、米国のシリコンバレーに渡った。「社長をしていると技術研究に専念できない。一介の技術者に戻ろうと考えた。世界のソフトウエアのメッカで勝負したい気持ちもあった」

 ネットワーク対応型CADの研究、開発などで実績を挙げ、翌年、中小企業にCADを提供するアメリオを浜松市内に設立した。平成十一年、研究開発型の中小企業を支援する浜松地域テクノポリス推進機構をサポートする客員研究員に就任した。「大企業を支えているのは中小企業。その中小企業をCADで支援したい」。アメリオの業務と研究員の活動の目標は一致している。

 三次元で形状をつかみ、構造計算、製品の検証もできるCADは製造業にとって不可欠な道具。「ある製品の開発を企画した場合、CADにデータを入れれば、試作品を作らなくても、バーチャルで製品を確認し、チェックできる。生産サイクルは短縮され、それによって顧客のニーズを的確につかんだ製品を送り出すことが可能だ」

 「前例にとらわれない姿勢が必要」。創造性を大切にする。

(文中敬称略)

(火、水、木曜日に掲載します。)



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