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グラフィックの分野から立体造形へ、ユニークな仕事を発展させてきた安達忠良=昭36卒=。最近の仕事は、長島茂雄元巨人監督でおなじみの大手警備会社のテレビCM。シリーズの新作はこれまでの実写と異なり、人形を用いたアニメーションだが、このどこかとぼけた味わいのチョーさん人形が安達の作品だ。近く全国で放送される。 CMは、安達の制作した木彫り人形を、特殊な樹脂で複製して動かした。「さまざまな専門分野の人がかかわって、一本の映像ができた。新鮮な体験でした」と、映像の世界に新しい可能性を見いだしたよう。 安達が美術の道に進むことを決意したのは、静高から同志社大に進んでから。サークルで絵に目覚め、中退して東京のデザイン学校に通った。卒業後は雑誌や単行本のイラストレーターとしてキャリアを積むが、二十年ほど前、思いつきでバードカービングに挑戦したのをきっかけに、木彫のオブジェ人形を手掛けるようになる。 JAS機内誌にイラスト付きの旅行記を連載したり、NTTドコモのPR誌の表紙を三年にわたり担当するなど、仕事は多彩。個展やグループ展での作品発表も欠かさず、昨年は、東京・代官山で個展「安達忠良冗談彫刻+α」を開いた。 オブジェは自ら「冗談彫刻」と称し、自分をモデルにした作品も多い。「自画像ならぬ“自嘲(じちょう)像”。自分がモデルなら何をやっても大丈夫ですから」。独特の表情に加え、体の一部に動く仕掛けを作るなど、あふれるユーモアが見る者の笑いを誘う。 下関生まれ。小学校五年から高校卒業までを静岡で過ごした。静高在学中は、「これといって取りえのない劣等生」だったが、学校生活の思い出は鮮明だ。現在も親交のある元巨人編成部長の石山建一=昭36卒=は同期。同じクラスの真後ろの席で、「野球部のハードな練習のせいで居眠りする石山に向けて、先生が飛ばすチョークの直撃をしょっちゅう受けた」。 石山が主軸となった昭和三十五年、静高は甲子園で準優勝を飾る。「貧しくて応援には行けなかったが、学校の傍のパン屋で、かき氷を食べながらテレビにかじりついた」。今年の甲子園はもちろん、直接球場に足を運ぶつもりだ。 (文中敬称略) (火、水、木曜日に掲載します。) |