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トヨタ自動車は、平成八年秋から、一年後に控えたハイブリッドカー「プリウス」の発売をにらみ、約六十億を投じた「エコキャンペーン」を張った。「地球温暖化とは?」「ハイブリッドとは?」―。プリウスのインパクトを最大限に高めるため、環境への市場の関心を喚起する狙いだった。 この宣伝戦略を提案したのが、当時宣伝部長の現常務役員、高田坦史(昭40卒)。具体的な商品の宣伝ではない、当時としては異色の企画だったが、「宣伝はトップの物の考え方を伝えるツール。イメージアップの間接効果は絶大」と幹部を説得した。京都の世界環境会議に注目が集まった時期。キャンペーンは強烈に「環境のトヨタ」をアピールした。 静岡市沓谷出身。神戸大を卒業し、昭和四十四年、トヨタ自動車販売(現トヨタ自動車)入社した。間もなく商品企画部で「マーク2」のモデルチェンジに没頭するが、折からのオイルショックで企画が整理され、担当を外される。国内企画部時代には、日米貿易摩擦の激化で、美徳と信じてきた勤勉が否定され、「働きすぎるな」と言われる経験もした。 「物事に絶対はない。その時には当然と思われることも、必ず変化する。それを乗り切るには、世の中がどう動いているか、自らの位置がどこにあるのかをよく見極めなければ」 慣例にとらわれず、常に持ち場に新しい視点を与えてきた。海外業務部では、輸出車両の価格評価などに代表される輸出業務の域を超え、市場調査などそれまで欠けていた商品企画の手法を導入。この経験を踏まえ、国内企画部に移ると、商品企画、価格設定業務の統合を上申し、商品計画室を作った。 現在は常務役員として、トヨペット店営業本部、DUO車両部、アフターマーケット本部を担当する。「海外のマーケットが膨らむ一方、国内の新規需要は限界。用品、部品販売やサービスで、安定した利益と顧客の確保ができるよう、業態変革が求められます。それが新車の販売にもつながる」 静高では、三年次の“出来の悪い”クラスが印象深い。「全国で活躍した運動部の連中も多くて、いろんなことを教えてもらった。清濁併せ飲めるベースができた気がします」 スポーツ好き。最近はスノーボードに凝る。「老成してちゃつまらない。新しいことに対する関心、興味が、活力を生むんです」 (文中敬称略) (火、水、木曜日に掲載します。) |