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第2章 人物誌

(2003年10月15日掲載)
熱量変更の大事業に力
静岡ガス関係

 昨年十二月、静岡ガスは、東京ガスなど国内大手に続き、八年半をかけ進めてきた天然ガスへの熱量変更作業を完了した。LNG(液化天然ガス)基地の建設、幹線輸送導管の整備、熱量変更作業に加え、採算性のため事業規模の拡大が求められた一大プロジェクトだった。

 昭和六十三年当時、社長として天然ガスへの転換を英断した会長の大石繁(昭26卒)はじめ、現社長の大石司朗(昭29卒)ら、大事業を支えた同社幹部には多くの卒業生がいる。

 石油系ガスでは避けられなかった中東依存からの脱却で安定供給を可能にし、燃焼時の二酸化炭素排出量が少ないクリーンなエネルギーとして期待される天然ガス。大石司朗は「当時の年間売り上げが百五十億円程度で、転換に必要な設備投資は約六百億円。思い切った挑戦だったが、社として将来を見据えた決断だった」と振り返る。

 事業規模の拡大には、工業用需要の掘り起こしが求められた。転換決定に先立ち企業分野を開拓してきたのが、常務取締役の石川順哉(昭38卒)、取締役総合企画グループリーダーの宮坂広志(昭44卒)ら。企業向け営業、加熱装置などの開発を通じ、ガス需要を喚起してきた。

 微妙な温度管理に優れるなどメリットも大きいが、コスト面では他燃料に比べ不利だったガス利用を広めるには、加熱効率を上げ、企業の望む生産性の向上とコスト削減を実現する設備の開発が不可欠だった。個々の要望を受けて実験、開発を繰り返し、時には不眠不休の作業になったが、宮坂は「苦労と思ったことはない。新しいことに挑戦する喜びがあった」と語る。

 変更作業の現場を指揮してきた熱量変更センター所長の佐塚一仁(昭43卒)も卒業生。天然ガスの導入決定に伴い大量採用した新入社員の基礎教育から始め、センターの組織を固めた。今年からは、掛川市の中遠ガスなど県内外の十二社で作る共同体の中心として、周辺地域の熱量変更に力を注ぐ。

 管内の天然ガスの供給を一手に担う子会社清水エル・エヌ・ジーでは、宮村惣三郎(昭37卒)が社長として指揮を執る。転換期には静岡ガス清水支店長、静岡支店長を務め、平成十年に取締役に。十三年から現職を務める。「製造の現場もお客さまがあってこそ」と、保安や安定供給など従来の目標に加え、地域貢献を視野に社員の意識改革を進める。

(文中敬称略)

(火、水、木曜日に掲載します。)



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