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昭和四十一年、住友生命保険に入社。専務取締役、副社長などを経て平成十三年、社長に就任した横山進一(昭36卒)。十四年七月から一年間、生命保険協会長も務めた。「顧客ニーズが遺族保障重視から自分の人生のための生前給付保障へと広がり、それに対応した商品開発に力を入れています。顧客の信頼の向上を図る努力をしていかなければなりません」 六人兄弟の長男として生まれた。実家が冷菓製造業を営み、放課後は毎日、家の手伝い。「勉強をする暇がないほど忙しく、『学校から帰ったら仕事』みたいな感じでした」 静高時代は禅に興味を持ち、哲学書「善の研究」で知られる哲学者西田幾多郎に引かれる。「悩み多き青春時代でした。哲学や宗教が好きで『人生とは何ぞや』ということに興味を持っていました。ちょっと変わった高校生だったのでは」 浪人時代に図書館で辻雙明の「禅の道をたどり来て」と出合う。一橋大座禅クラブ「如意団」の座禅修行のエピソードに感銘を受け、一橋大経済学部に進んだ。修行道場に寄宿し、朝晩は座禅、昼間に経済学を学ぶ日々を送った。「大学で禅を実践できたのはうれしかった。精神の持ち方や腹の据え方など禅の経験が役に立っています」。今でも朝晩は座禅を組み、心を静める。 平成五年の金融関連事業部長時代に不良債権処理に着手。「不良債権は底なし沼のような恐ろしさがありますので、早めに処理することを目指しました。放置したら、会社の屋台骨を揺るがすような事態に陥っていました。この問題に対しては非常に強引でしたが、結果的に功を奏しました」。当時、銀行の不良債権処理は本格化していなかったが、陣頭指揮を執り約二千件の担保不動産を売却した。 現在、民間生保全体の給付金等支払額は年間十四兆にも及び、社会保障の重要な一翼を担う。一方で、生保を取り巻く経営環境は超低金利の長期化や株価の低迷、逆ザヤ問題など、引き続き厳しい。加えて、顧客意識が変化する中で、外資系を含めた競争が激化し、大手にとっても商品の開発など経営全般において新しい視点が求められる。 「厳しい経営環境ですが、むしろビジネスチャンスが広がっている時代。ピンチの中にこそチャンスがある。自分がやりたいことに勇気を持ってチャレンジしてほしい。夢を持ち、それを信じて進むことによって望みは必ずかないます」 (文中敬称略) (火、水、木曜日に掲載します。) |