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動物愛護教室

開かれた学校を目指す

「うわー、すごーい」。園児たちの歓声が実習棟に響き渡った。動物科学科の加藤典子(三年)の右肩にちょこんと乗ったハトの「プースケ」。パタパタと羽をばたつかせ、愛きょうのあるしぐさを見せる。


プースケを肩に乗せた加藤さん=田方農業高実習棟
加藤はプースケとの出会いを紹介し、「人工的に育ったプースケは野生に戻せない。どんな生き物にも命がある。最後まで育てるのが私たちの役目」と園児たちに優しく語り掛けた。

 畜産農家が減少し、後継者養成の役割が次第に薄れつつあり、昨年、動物科学科に「愛がん動物コース」ができた。校内には豚やヤギ、牛、ウサギなど二百匹が生活している。

 「動物愛護教室」は動物との触れ合いを通して生命観をはぐくんでもらおうと始まった。ことし一年間で、三十の幼稚園や小学校を受け入れている。

 プースケは二年前、畜産科の牛舎でおびえているのを加藤らによって保護された。生後間もなく、天井の巣から落ちたらしい。人間を警戒し、水さえ口にしなかった。食欲を示すようになったのは二カ月後。加藤はハトの生態や育て方を調べ、自宅に連れ帰って夜も一緒に過ごした。「どんな生き物でもコミュニケーションの積み重ねが大切」と知った。

 四月からモルモットなどの繁殖・交配を手掛ける日本SLCに就職する加藤は「将来は獣医師に。いつか、プースケを引き取りに来たい」。

 老人ホームやデイサービスからの訪問要請も増えている。平野健太(一年)は「ウサギの持ち方をよく間違える。耳をつかむのではなく、人間の子供と同じように抱きかかえないと、後ろ足でけられる」と助言する。お年寄りと動物が身構えることなく交流できるよう援助するのが役目だ。

 県内で動物を扱う学科は田農などに限られる。社会問題化しているペットロス症候群、病人や痴ほう症の高齢者の症状軽減を図るアニマルセラピーなどに注目が集まる。「核家族化、高齢化社会を迎え、ペットとしての動物の重要性が高まっている。開かれた学校づくりにも役立つ」と担当教諭の鈴木隆。今後の取り組みが他校の試金石になる。

(文中敬称略)
 【注】カッコ内は卒業年。

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