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農業団体

環境守り豊かさ求める


21世紀の農業を提言する中村裕さん=三島市大場
 「無秩序な工業化と都市化が環境に波及した。今の農業に求められているのは真の豊かさ。地球保護を反映した市場のルールが必要だ」。全国農業会議所専務理事の中村裕(昭32卒)は、環境を省みない世界の農業構造に疑問を投げ掛ける。

 入所五年足らずだった昭和四十六年、インド・ニューデリーで開かれたILO(国際労働機関)アジア地区会議に単身で派遣された。各国の農業団体代表と「農村開発と労働力の在り方について」をテーマにひざを突き合わせ、「同じアジアでも考え方がまるで違う」ことを知った。一カ月に及ぶ議論の中でグローバルな視点が育った。

 データを集め、アンケート調査を行いリポートに仕上げる。世界に二十一世紀型の農業政策を提言し続けてきた。迷った時は「われわれは日本の農家代表。国際競争に勝てるプロの農業経営者の育成という原点に戻って頭の中を整理する」。

 「農業法律論」の島根大非常勤講師。食料・農業・農村政策審議会、都市計画中央審議会の委員、日米経済協議会参与、国際食糧農業協会理事、全国高校農場協会顧問など農業関連の肩書は三十を超える。

 農芸化学科の一回生。東農大でフィールド調査に取り組み、卒論「山村の構造」で、農村社会に起きがちな感情的な対立の原因を洗いだした。「近郊酪農」の論文で修士を取得。「現場で学んだ経験が肥やしになっている」。

 田農は地元農協にも多くの人材を輩出している。多賀農協(現JAあいら伊豆)は川口美雄(大9卒、故人)が初代組合長に就き、熱海市農協と合併した後も土屋平壱(大15卒、故人)川口幸平(昭5卒、故人)と三代続けて田農OBが指揮を執った。

 四期務めた川口は十年間で、貯金保有高を就任当初の六倍に当たる二億円の大台に乗せた。記念に建立した二宮尊徳像には、尊徳の言葉から川口のモットーだった「勤倹推譲」を刻み、今も職員を鼓舞し続けている。土屋はミカンの共同選果場や本店の新築などを進め昭和四十九年、農業発展に寄与した功績が認められ、黄綬褒章を受けた。

 ほかにも、旧伊豆農協組合の伊奈勉作(大11卒)、東部農協の片野敏(昭15卒)、三島農協の鈴木次郎(大4卒、故人)高藤忠男(大5卒)加藤実(昭11卒)、函南農協の石井博三郎(昭7卒、故人)ら組合長歴任者がいる。

(文中敬称略)
 【注】カッコ内は卒業年。

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