はじめに

 新聞用紙はアート紙やコート紙と比較すると白色度は低く、紙の平滑度も低い。このためアート紙やコート紙に印刷する場合より印面品質が劣ってしまう。
 新聞オフセット印刷での印刷物の傾向としては、ベタ濃度があまり上がらない割に網点の中間調の太りが著しく、結果として中間調からシャドー部のコントラストが低くなり、メリハリがなく暗い感じになる。又ハイライト部では用紙の白色度が低い為アート紙のような明るい再現は難しい。
 これらのことを少しでも補う方法として、我社では新聞用紙、インキ、ブランケット等の印刷資材の改良で対応している。そして印刷では、できるだけインキを盛るようにしている。インキを盛らないと、本来の色が出しにくく、ねむい感じになってしまう。又カラー広告であれば、商品の持つ色合いや質感、立体感あるいは深み等が十分に表現できない。
 又新聞オフセットインキは浸透乾燥型である為、時間の経過と共に、インキは沈んでいく。印刷してから読者が新聞を読むまで、2時間から4時間位経過する。印刷している時は、印面が良く感じても読者が新聞を読む頃は違ってくる。この点も考えなければならない。 新聞用紙にインキを盛るとドットゲインの問題や、セットオフ、裏抜け等の問題が出てくるが、これらの点も印刷資材の改良で対応している。

新聞用紙について

 一般の新聞用紙の吸油度は50〜60秒くらいで紙厚は7/100mm位であるが我社が使用している新聞用紙は吸油度、平滑度をこれよりも良くしている。又紙厚は坪量が43g/uのSL紙を使用しているが、一般の新聞用紙より厚めのものを使用している。紙をつぶさない いわゆるポーラスな紙である。吸油度が良いためインキが盛れ、なお且つセットオフも起こりにくく、又ガイドローラの汚れも少ない。


 又紙厚が厚い為、インキをある程度盛っても裏抜けを少なくすることができる。紙の裏抜け防止はホワイトカーボン等の添加量を多くすることで防止できるが、ホワイトカーボンを多くすると、ほかの副作用が発生しあまり良い対応策ではない。
 用紙の吸油度をよくすると、紙の平滑性は悪くなってしまうが、インキを盛り込むことでカバーできると考えている。
 網点の再現性もある程度考える必要があるが、新聞用紙は凹凸が激しくアート紙やコート紙の印刷と違い、あまり細部のドットゲインにこだわると新聞本来のカラー印刷ができなくなってしまう。ドットゲインを少しでも 少なくするため、用紙には関係ないが、粘度の高いインキを使用している。又我社では、タワープレスを使用している為、サテライト機と比較して中間調のドットゲインが少なく、この点でも良い結果になっている。
 又発送CS手前のつぶしローラに目盛りを取り付け、建てページに応じてつぶしローラの間隔をかえ、セットオフが生じないように努力もしている。

紙の品質管理について

 各メーカー共に新しく抄いた巻取紙をまず日曜版印刷に使用し、メーカー立ち会いのもと、その用紙についていろいろの面で評価し、先月品との比較を行い品質維持に努めている。又ペースタ時の巻取紙1本1本の版微移動量(色ズレ量)をパソコン使用して記録し、ペースタ損紙量等も割り出し各メーカーこれらのデーターをフィードバックしている。その後朝夕刊で使用し、日曜版で出てこなかった問題点等が発生すれば、これもメーカーへ連絡し、次回の抄造に反映している。
 日曜版印刷は毎週金曜日に8ページフルカラー両出し、1セットで印刷している。この印刷パターンは毎週同じの為、印刷条件が同一となり、しかもロングラン印刷(74万部)であるので、用紙メーカー間の比較もでき、用紙の品質をチェックするのに適している。毎月1周目から4周目まで各メーカーを決めて行っている。
 現在 日本製紙(富士、岩沼)、王子、大王、中パの巻取紙を使用しているが、すべてのメーカーとも、吸油度、平滑度、紙厚等を同じにし、又紙のL a b値も同じになるように管理している。