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「日本語が危ない?」   インタビュー (02/08/18)

文化庁が行った日本語に関する調査で、多くの若者が感動した時、「鳥肌が立つ」と表現するなど、本来の用法や意味を逸脱した拡張語を使っていると発表し、話題を呼びました。いつの時代も若者は新造語や、俗語を多用し、「気になる」と不快に感じる方は多いようです。みなさんはどうですか。日本国語教育学会常任理事で三省堂や小学館などの国語辞典を執筆している小林国雄元常葉学園大教授にご意見を伺いました。


日本国語教育学会 常任理事 元常葉学園大教授
小林 国雄さん
変化、「乱れ」とみるべき

―言葉の乱れを憂えていますね。

「言葉は生き物。変化するのは当然です。日本語の研究者は、本来誤用とされている慣用表現を、定着するまでの『揺れ』とみて許容するか、『乱れ』とみるかで立場が分かれます。わたしは、どちらかといえば、辞書を規範とするべきだと考えています。誤用とされる慣用表現は気になる方の立場です。最近気になっているのは、まず、女性の言葉が荒っぽくなっていることです。そのほかでは、若者の流行語、外来語の氾らん、敬語の間違いなどです。実例を挙げながら考察します」

すごい
連発、誤用も

 若い人で、すごいを連発する人が増えています。ある女性の会話を引用しますと、「きのう映画行ったら、スゴク人がいて、スゴクおもしろかった。主役もスゴイかっこよくて、スゴクお金かかっているって感じ」―。「スゴイかっこよかった」となると誤用です。せめて「すごくかっこよかった」と言ってほしいものです。

〜のほうがよろしかったでしょうか
やや耳鳴り

 ファミリーレストランをはじめとする店員などが、最近使っている独特な言い回しが気になります。妙なマニュアルに基づいているのでしょうか。「ご注文は、○×のほうでよろしかったでしょうか」。「ほう」というのは勉強の「ほう」は苦手だが、運動の「ほう」は得意だ、といった風に使うべきです。また、わざわざ過去形にして確認する理由がよくわかりません。誤用とまでは言いませんが、耳障りではあります。

ていうか
趣旨見えにくく

 「今日は遅かったね」と話しかけた大人に向かって、小学生の子供が「ていうか、今日、用事あってー」と言っていた。ていうか、という言葉は、断定を避け、相手の顔色を見ながら少しずつ内容を変えていくときなどに使うように思います。わたしは、学生には発表の際にワンセンテンスを短くするよう指導していました。趣旨が明確になるからです。「ていうかー」「〜でー」という言葉を差し挟むと明確な判断ができないまま、ずるずると文がつながる場合が多い。趣旨が見えにくくなる恐れがあるのです。

うちら
方言なく謎

 女子高校生などが「わたしたち」でなく、なぜ「うちら」と言うのでしょうか。関東地域にそういった方言はなく、これは謎です。

〜になります
今から変化?

 注文した品物を持ってきたウエートレスが皆こう言うんです。「こちら天丼になります」と。今から天丼に変化するのかい、とつい屁理屈をつけたくなる言い方です。

鼻濁音
美しく話すために必要

 日本語を美しく、滑らかに話すためには、鼻濁音ができなくてはなりません。以前は若者が鼻濁音が発音できないとして話題になりましたが、最近は中高年の方でもほとんどできません。「が、ぎ、ぐ、げ、ご」など濁音をストレートに発音すると美しく聞こえない。ニュースを読むアナウンサーが「シュウギインギイン」とごちゃごちゃと発音するのは目をつむるとしても、歌番組の司会者や歌手などが鼻濁音ができないのは非常に残念です。「フィラデルフィア・カンゲンガクダン」とがちがちと発音されると、決して美しく聞こえない。静岡県は練習さえすれば鼻濁音ができるようになる地域。ぜひ、学んでほしい。例えば「犬がいる」という場合、「が」の前に「ん」を差し挟むようにしてゆっくり発音すれば、鼻濁音になります。

語尾上げ
疑問文ではないのに

 「〜でー」といったように、若者が語尾を上げるのは昔から問題視されてきましたが、最近の各放送局の若手アナウンサーには語尾を上げる方が増えています。「次は天気予報です」「七時です」などと言った場合、「です」が上がり気味になっています。これは気になります。疑問文ではないのだから、語尾を上げる必要はありません。


国語教育の強化が必要

―言葉の乱れには何か社会的な背景を感じますか。

「もちろん、一概には言えませんが、学校でも、家庭でも言葉の教育があまりなされていないのではないでしょうか。長年学生と接していた経験から感じるのですが、年々、教員に対する敬語が使えなくなり、言葉の誤用も目立つようになっています。今回の学習指導要領の改訂で国語の時間も三割減少しました。ますます正しい日本語が使えなくなるのではないかと憂えています。数学を研究している藤原正彦お茶の水女子大教授は、小中学校の国語教育を強化するよう言っておられます。算数を解くためにも国語力が必要なのです。正しい日本語を教える必要を説くのは、我々国語の研究者だけではありません。若者同士が俗語、造語を使ってコミュニケーションを取る時に、多少の誤用があってもいいのです。問題は、誤用の日本語しか知らないことです。公式の席でも誤った日本語しか使えないと困るのは本人です。若者言葉、慣用以外に、正しいとされる日本語の知識があることを知り、時と場合によって言葉を使い分けることは非常に大切なことです。現代社会は多くの娯楽があり、若者の活字離れがいわれて久しいですが、本を読むことは非常に大事です。正しい言葉を話し、語彙(い)を増やすためにも読書をしていただきたい」



カジノ、現実見据え議論を

東京都の石原知事は税収が主目的であり、熱海の場合は税収と観光客の減少に歯止めをかけ街を活性化しようというもので、カジノ構想には多少の違いがあると思います。熱海は場外馬券場計画が住民の反対で前に進みません。もし熱海にカジノ場開設の許可がおりても同じ事と思います。

日本の公営レースは75%の還元率で、パチンコは最近では競争が激しく還元率90%以上が一般的です。これでは公営レースがパチンコに客を奪われて当然です。公営レースの売り上げ、入場者数は毎年減少していて閉鎖を真剣に検討している自治体が多数あります。カジノ場をつくるなら一カ所に民間が数軒つくり競争させる事です。我が国はまだカジノ場を許可してませんので、熱海の活性化策はその他の方法を現実を見据えて早急に議論した方が賢明だと思います。

ただ日本各地に公営レース場があるのにカジノ場はいけないという意見には、私は賛成出来ません。

(三島市、60歳、藤田宣美)

係から

文部科学省は、来年度から公立小中学校の普通教室の冷房化を進める方針を固めました。皆さんはこの方針をどのように受け止められたでしょうか。「少しでもいい環境で、という当然の配慮」「甘やかすだけ。我慢を覚えさせるのも教育」。ご意見をお寄せください。

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