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| 「進む晩婚 何が理由?」 インタビュー (03/08/31) |
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―未婚化、晩婚化はどのくらい進んでいるのでしょうか。 「未婚率はほとんどの年齢層で急速に進んでいます。二〇〇〇年の数字を見ると、二十五―二十九歳の男性の69・3%、女性の54%は未婚。三十―三十四歳の女性では特に増加が著しく、十年前のほぼ倍の26・6%になっています。生涯未婚率(五十歳時の未婚率)も男性で12・6%、女性で5・8%で、特に男性の増加が目立っています」 ―なぜ結婚しないのでしょうか。 「意識調査によると、未婚でいる理由は『結婚したい相手にめぐり会わないから』が41・5%と最も高く、次いで『金銭的に余裕がないから』が30・2%となっています。ただし雇用形態がパートやアルバイト、いわゆるフリーターといわれる層だけを見ると、経済的理由が重くなり、特に男性では最大の理由になっていますね。やはり家計を支えるのは男性、という意識が根強いようです」 ―デフレや雇用情勢の悪化が晩婚化を促進していると考えられますか。 「影響は大きいでしょう。働く意思がありながら正社員としての職を得ていないフリーターの増加は深刻で、しかも正社員への移行が難しい状況がある。将来の収入の見通しが立たず、結婚に二の足を踏んでしまう状況はあると思います。若者の就職難と晩婚化、少子化は連鎖的に起こっていると言えるでしょう」 ―親が同居しているかどうかで違いはありますか。 「未婚者、特に女性未婚者は親との同居率が高い傾向にあります。同居者は、経済的に自立できないためやむを得ず、家賃や食費の負担が少なくてすむ同居を選択しているケースが多い。男女にかかわらず、九割以上が家事を親任せにしているという統計もあります。結婚すればそれらは当然自己負担。そういう意味で結婚にメリットが感じられにくいのかもしれません」 ―逆に、結婚をする理由というのは何なのでしょうか。 「結婚の利点としては、精神的なやすらぎが得られるという回答が67・9%と突出しています。ただしこの数字は五年前の調査と比較すると低下傾向にあり、逆に特に利点を感じないという回答は2・7%から8・9%に上昇しています」 ―男女の意識の違いはどうですか。 「男性では、結婚すると身の回りの世話をしてもらえるとか、一人前と認められるといった答えの人が女性より多く、女性では経済的に安定するという答えが男性より多い。伝統的な結婚観は根強いようです。実際、家事負担は共働き世帯でも女性が四時間強、男性が一時間半弱と偏っていて、非常に女性の負担が大きい状況があります」 ―結婚すると、経済的にはどんな変化があるのでしょうか。 「若年層の年間収入の平均を見ると、未婚者では男性二百八十万円、女性が二百二十万円程度。既婚者では本人の収入は男性で四百十万円、女性では百四十万円程度になっています。結婚すると家計全体の収入は多くなりますが、子育てなどにお金がかかるようになります。自分で自由に使えるお金は、未婚者では月平均、男性五・六万円、女性五・三万円ですが、既婚者では男性二・四万円、女性一・五万円とぐっと減ります」 ―そうした意味で、結婚に窮屈さを感じているのでしょうか。 「そうとも言い切れません。現在の生活に満足しているかという質問には、既婚者は68・1%が『満足している』または『どちらかといえば満足している』と答えていて、未婚者の53・1%よりもずっと高い数字を示しています。特に女性既婚者では、生活満足度は71・4%と全体で最も高い。結婚には、経済的ゆとりだけは計ることができない魅力があるということでしょう」 |
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―なぜ晩婚化が進んでいるのでしょうか。 「一つには、あまりにも生活が便利になってしまったことがあるでしょう。コンビニにコインランドリー、近くに何でもあって、親と同居している人はもちろん、フルタイムで働いて一人暮らしでも不便を感じることは少ない。また女性も稼いでいますから、養ってもらう必要もない。さまざまな情報が氾らんして、性的な欲求の解消もできる。生きていくためや、家のために、いわゆる『適齢期』のうちに結婚するのが当然ということはなくなっています」 ―若い人は、本当に結婚をしたいと思っていないのでしょうか。 「そんなことはないと思います。好きな人と結婚をして、特に女性なら子どもを産んで、育てたいという欲求は、本能的にあるでしょう。ただ、どこかでその気持ちが阻害されてしまっているだけなのではないかと感じます。要因は複雑だと思いますが、出産や子育てに対する公の支援が足りないのは大きいでしょう。女性への負担の重さが、強力なブレーキになっていることは間違いありません」 ―経済的な問題で結婚が不安だ、できないという若い人もいます。 「自由で比較的豊かな独身生活から、忍耐と貧困の始まりかもしれない結婚に踏み切れない、という人もいるでしょう。ただし、本当のところは、そこまで好きな人がいないということ。お金も時間も、好きな人となら二人で使えばいいんですから。飛び込んでみればいいんです」 ―子どもの結婚に対する親の意識はどうでしょうか。 「それが問題です。例えば、特に娘さんに対してですけれども、離婚をしたり、病気などで夫を亡くしたりして、実家にかえってきたりするでしょう。そうすると、最近では親御さんたちは喜んでしまうんですよ。昔なら早く再婚しなさい、と言ったのでしょうが、今ではそばにいてくれた方がうれしい、極端に言えば老後も安心、という気持ちもあるようです」 ―親からのプレッシャーは少ないということでしょうか。 「そうですね。ただ、一緒に楽しく暮らせる今はいいとしても、親御さんたちは、自分が死んでしまった後、子どもがどうなるのかは、もっと考えるべき。親の死後、ぽつんと一人になってしまったらどうするのか。突き放す時には、もっと突き放してやるべきだという気もします」 ―親世代の責任もあると考えますか。 「子どもに結婚したいと思わせることは、ある意味で親の義務。欧州などでは年を取っても夫婦で見つめ合って乾杯したり、手をつないで歩くのが普通です。ところが日本は会社や友達単位が優位で、夫婦の関係はなかなかそこに入り込めず、薄くなってしまっている。親世代に、自分自身の結婚に対して否定的な人が多いことも気になります。今の晩婚、未婚の原因はここにもあると感じています」 ―なぜ否定的になってしまうのでしょう。 「難しい問題ですが、一緒にいることが幸せ、と思っている夫婦が少ないのは確か。熟年離婚という言葉がありますが、最近では死後離婚というのもあって、特に妻が夫と同じ墓に入りたくないということがあるんです。お互いの愛情とか心地よさとか、夫婦の間にあるべきものがどこかに行ってしまっている。愛情を育てる努力が足りないのかもしれません」 ―未婚の人にアドバイスはありますか。 「たとえ五十や六十になったとしても、長い人生の間には、絶対にこの人、という人が見つかるはず。その時に、自分が尻ごみしたり、選んでもらえなかったりすることがないように、自分を磨いておくことです。結婚がうまくいって、幸せな結婚生活を送っている人というのは、ものすごく努力しているものですよ」 |