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| 「英語教育の低年齢化を考える」 投稿特集・インタビュー(2) (03/10/19) |
| 外国語教育特区に認定された群馬県太田市では、国語や社会をのぞくすべての授業を英語で行う小中高一貫校の設立準備が進んでいます。県内でも公教育の英語活動は、幼稚園にまで広がりを見せています。早期教育が加速する中、推進派、慎重派それぞれの意見を紹介してきたトークバトル「英語教育の低年齢化を考える」。今回も引き続き投稿特集です。外国語を学ぶ前提として、独自の指導法で日本語による論理的な思考能力の育成をめざすつくば言語技術教育研究所の三森ゆりか所長にもお話を聞きました。 |
![]() | 民間英語教室ではカラフルなイラスト入り教材でアルファベットに気軽に親しむ工夫も=静岡市中田本町のすみや楽器ショップ |
一クラス三十―四十人もいる教室で英語を教えるには、英語の歌とかゲームなどの「活動」におのずと制限されてくる。子供はゲームが大好きだから楽しい活動にはなるだろうが、その成果は…? 週一回程度のゲーム感覚的な活動からは成果を期待するのは無理だろう。 講師の質も問題になってくる。現在、文部科学省で招へいしているALT(各学校に派遣されている外国人講師)のほとんどは、まだ二十代前半で、十分な経験を積んでいるとは言い難い。 ゆとり教育の名の下、授業時間が削減され学力低下が懸念されている現状において、学校での貴重な時間を成果も明白でない英語活動にあてるのは疑問だ。小学校では、英語よりもまず国語教育にもっと力を入れ、思考力を培った方が、後の英語教育にもっと反映されると思う。 (浜松市、匿名希望)
理由は、まず、基礎がなくとも必要になれば英語は理解も使用もできるからです。 私のアメリカ留学を機に、私の三人の子供は、日本で小学一、二、六年を終了後、一年半アメリカの現地校に通いました。現地の子供の国語の時間に外国人に英語を教える専門の教師から指導を受け、その他の教科は現地校の生徒と同じ授業を受けました。親には手本になるような会話力もなく、学校でのみ教えてもらいました。しかし半年後には両親よりもはるかに優れた会話能力を発揮していました。 第二に、相互に理解しようとする意思があれば英語は不要だからです。 家内は現地のスーパーマーケットに「ゼラチンの粉末」を買いに行きましたが、十分に説明できず、店員が探してくれるものは、甘味料や着色料の入ったもので半ばあきらめていました。しばらくたってようやく見つけてくれ、そのとき家内は店員と抱き合って喜んだとのことでした。 最後に、英語も常に使用する環境にいないと忘れるものだからです。 これらのことから、小学生の英語教育の時間を日本語教育、つまり意思伝達手段としての正確な言語教育(作文、発表、および討論による教育)の充実にあてることを望みます。 (袋井市、渡辺泰)
私自身は、大学に入り初めてネイティブの授業を受けました。ある日、男子学生がゲップをしたところ、アメリカ人女性の先生は激怒してついに彼に単位をくれませんでした。先生は人前で平気で鼻をかむくせに…と驚きました。言葉はもとより、慣習すら異なることを感じた経験です。 今、娘のクラスにはブラジル人の子供がいます。お隣にはアメリカ人が住み、保育園ではカナダ人の方とお会いします。身近になった国際化の中で言葉のみにとらわれず、異文化を認識していく必要があるのではと感じています。 ALTの質というお話がありましたが、他教科ではどうなのでしょうか?小学校で一流の音大出の先生に音楽を皆が学べるでしょうか。国体経験のあるような先生に走り方を学べるのでしょうか。皆が通訳になれるほどの授業でなくてもいいのです。「ALTの先生の手招き、私たちと違っていたよ」なんてことだけでも感じ取れれば、それだけでも意味のある時間になると私は思います。 (藤枝市、匿名希望)
公立小学校での英語活動に関して、学習者と父母の方々にどの段階でどのような英語を話せるようになるという将来像を明示する必要があるのではないでしょうか。かなり雑ですが英語能力の上達を段階別に表します。▽初級1 恥ずかしがらずにあいさつできる▽初級2 スモールトーク(天気など相手が簡単に同意できる内容で、あいさつの後、約一分間の会話)ができる▽初級3 一般的質問に対し、YES/NOまたは二、三文で答えられる▽中級1 自分の意見を組み立て、相手に意思を伝えられる▽中級2 一般的な課題に関して、簡単な討論ができる▽中級3 日常生活にほぼ支障がない程度に会話を維持できる このうち、中学卒業で中級の段階1をマスターできればよいのではないでしょうか。従って、小学生の段階でマスターするのは初級のレベルで十分であり、そのためにALTとのふれあい・体験学習を実施しております。 しかし、ALT側の問題として、カリキュラム進行状況の管理など、まだまだ解決しなければならない問題が山積しています。 「公立小学校で英語を学ぶ必要があるか」に対しては、外国人と英語を介して、少しでもコミュニケーションを取れたときの子供たちの笑顔、喜びの表情を見るたびに、その答えを確信しております。 (沼津市、松浦正豪) |
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―英語の習得には、日本語の基礎徹底が近道だと主張していらっしゃいますね。 「日本語も英語も、言葉を使いこなすための基礎的な技術は同じ。英語を受け入れる土台は、あくまで日本語で作るものです。そして土台が小さければ、つまり日本語への知識や理解が浅ければ、その上に積める英語も当然薄っぺらなものになります。国際社会で通用する英語を身につけたいのなら、国語教育を見直す必要があります」 ―国語で身につけなければならない基礎とは、具体的にどのようなものでしょうか。 「物事を分析し、論理的な文章を書き、他人と建設的に論じ合える力をつけることです。具体的には、自分の考えを提示し論証したり、大量の情報の要点を整理したり、情報を分かりやすく伝達したりする技術などですね。こうした言語技術は、あらゆる言葉を使う上で共通の普遍的な技術です。日本の学校教育では、これらが系統立てて教えられていません」 ―諸外国の教育は違うのでしょうか。 「欧米の国語教育は、言語技術教育そのもの。外国語教育にも国語で習得した言語技術が生かされます。私が中学、高校を過ごしたドイツでも、英語教育は初めこそ文法や読解中心ですが、基礎が終われば即、ドイツ語の授業でやるのと同じ討論や分析力が求められます。言語技術という基礎があるからこそ可能なことです。英語への理解が早いのは母語と英語が言語的に近いからだけではありません」 ―表現技術より、話の内容を磨くことが重要だという声もあります。 「私たちは言葉を用いてものを考えています。考える時に必要な、物事を分析したり検討したりする技術が言語技術。言語技術がなくては、話の内容を明確に考えることができなくなってしまいます」 ―主宰教室ではどんな実践をしていますか。 「幼稚園児から高校生までが対象で、討論と作文を中心に系統的に教えています。指導の柱は表現技術と情報分析の技術。表現技術としては、例えば初歩の『問答ゲーム』は、自分の意見を言うトレーニングです。『春と秋ではどちらが好き?』などと尋ね、答えとその理由を必ず言わせます。それから物語を聞いて、自分の言葉で再現して書く『再話』。自分が見たものを人に伝える描写の方法や、事故の記録、陳情書の書き方なども表現技術に含まれます。情報分析の技術としては、絵の分析や本の内容の要約技術、クリティカル・リーディング(文章の分析と解釈、批判)の技術を指導しています」 ―英語を学ぶ上で、日本人は不利な面を抱えているのでしょうか。 「言語技術の教育が行われてこなかった背景には、言葉で情報を明確に伝達することを重んじてこなかった日本の文化があります。はっきり言わない、察しの文化ですね。主語が頻繁に省略されたり、『あの人ちょっと、あれだよね』みたいな、本当に共通認識があるのか分からないような会話も成り立つ。こんな会話は英語には訳せません。日本語の感覚で外国人と話すと、なぜ、だれが、どこが、と突っ込まれます。日本人は動揺して、知っている言葉も出てこなくなる。良い悪いの問題でなく、その違いを認識する必要はありますね」 |
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■次回26日は「どちらを選ぶ?豪華旅館とお手ごろホテル」 インタビュー 紅葉の見ごろも間近となり、いよいよ秋の行楽シーズンがやってきました。次回トークバトルのテーマは「どちらを選ぶ?旅館とホテル」です。あの手この手で集客を狙う県内観光地の異なる様式の宿泊施設に、その戦略やセールスポイントなどを語っていただきます。 |