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| 「静岡は住みやすいか?」 インタビュー (04/01/18) |
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―「暮らしの改革指数」を作成した目的は何ですか。 「その目的は、国の推進する構造改革が、どのくらい国民生活に反映されているのか、その成果を目に見える形で示すことです。改革は、ともすれば痛みばかりが強調され、具体的な生活の変化が示されなければ、国民の支持が得られません。もちろん生活の満足は個人によって異なり、数値で測るのは難しい面もありますが、ゆとりや安心など、非貨幣的な面も含め、国民が改革を評価していくことが必要なのです」 ─具体的には、どのようなものですか。 「『住みやすい社会』『働きやすい社会』『まなびやすい社会』『子育てしやすい社会』など、九つの側面から国民生活を評価します。一九九〇年の数値を一〇〇として、その後の変動を見ます。例えば『住みやすい社会』ならば、中古住宅の流通量、通勤通学時間、新築住宅一戸あたりの床面積などを指標とし、総合化しています」 ─算定の結果、どんなことが分かりましたか。 「総合的に見ると、指数は緩やかに上昇していて、構造改革の成果は着実に現れていると考えられます。学びや子育て、女性や高齢者の活躍、情報流通や交流などの側面は、ともに着実に伸びてきています。しかしここ数年は、経済の低迷が影を落としている面も大きい。例えば『住みやすい』は、住宅価格の下落などにより九〇年代に入って上昇してきましたが、所得環境の悪化を背景に二〇〇〇年以降は横ばい。『働きやすい』は、働き方の多様化が進む一方で、完全失業率の上昇など雇用の悪化により九〇年以降、ほぼ横ばいで推移しています」 ―ほかに伸び悩み傾向のある側面は。 「本年度新しく追加した『若者が活躍しやすい』は、伸びてはいるのですが、インターンシップ制度の導入など能力開発の環境が整備される一方で、やはり雇用環境の悪化が影響し、伸び幅が抑えられています。また『環境にやさしい』も九八年以降、伸び悩み傾向にあります。リサイクルが進むものの、ごみや二酸化炭素の排出量が増加しているためです」 ―低下傾向にある側面はないのでしょうか。 「安心や安全にかかわる分野では低下傾向があります。このため本年度からは特にこの分野を『暮らしの安心・安全指数』として独立させ、詳しく見てみました。ここ十年間で特に大きく低下している項目は、『費やす』と『交わる』です。『費やす』は、年収の低下で住宅ローンなどが重くのしかかっているようです。『交わる』は一人暮らしの高齢者の増加、コンピューターウイルスの被害増大など、ほぼすべての指標が悪化しています」 ―凶悪事件が多発していますが、治安にかかわる部分はどうでしょう。 「同じ指数のうち、『住む』の項目も数値が低下していますが、この最も大きなマイナス要因になっているのは、やはり刑法犯の認知件数の増加ですね」 ―新指数のほかに現在、国民の暮らしにかかわる調査はありますか。 「三年に一度行っている国民生活選好度調査があります。二〇〇二年調査では、現在の生活に『満足している』『まあ満足している』と回答した人は過去最も少ない41・3%でした。一方、『不満である』『どちらかというと不満である』とした人は26・6%で過去最も多い結果になっています。景気には持ち直しの動きが見られ、物質面の環境は良くなっているはずなのですが、特に四十―五十歳代の働き盛りでは、不満を感じている人が依然として多いようです」 |
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―住みやすいまちづくりのために、大事なことは何でしょう。 「そこに住む人の意見や考えが反映され、住民の色が出た町にすることです。そのためには、町のことを一番よく理解し、歴史にも通じた住民自身が、責任を持って町づくりに加わるべきです。もちろんその結果、将来にわたって住みやすい町ができるという保証はない。時代は変わるし、人の流れも変わります。でも、自分たちの手でやったことなら、なぜそうしたのか後世に説明ができるから」 ―これまでどのようにかかわってきましたか。 「かかわって十二、三年ですが、最初は養まん池などが多い浜松市篠原地区の遊休地活用について、住民説明会に参加したのがきっかけです。その後、二〇〇〇年に浜松市で開かれた『都市計画キャラバン』で、市民と行政の共同参画を考えるワークショップに加わり、活動の場が広がりました。『浜松市民まちづくりの会』はこの催しから生まれました。並行して、花博に伴うJR舞阪駅周辺の区画整理に関連し、『舞阪駅周辺の将来を考える会』に委員として参加してきました」 ―「考える会」の提案は、実際の事業にかなり反映されたそうですね。 「二年がかりで構想をまとめ、橋上駅化、駅前広場整備などはほぼ提案に近い形で受け入れられました。地元の有力者や企業関係者、若い人にも参加してもらって、五つほどの案を練り、二案にまで絞りました。その上で住民説明会を開き、一案に集約して浜松市に提出しました。住民が住民に対して説明会を開く、というのは珍しいことだったと思います」 ―かなり詳細な計画を提案しましたね。 「住民の力でも、ここまで区画整理が提案できるというところを見せたかった。わたしは一級建築士ですが、都市計画は素人。他の委員も専門家ではありません。それでも、都市計画家協会などで専門家のアドバイスも受けながら、現実的な計画をまとめることができました」 ―その後の「考える会」の活動はどうですか。 「実行されたのはまだ提案の三分の一程度ですし、区画整理事業はまだまだ続きますから、継続的な提案が必要です。また最近では、舞阪町、市民団体と共同で、舞阪町と浜松市にかかる新しい橋の名前を、地域の高校生の意見も盛り込んで浜松市に提案しました。花博に合わせ、同じ舞阪の市民団体や雄踏の商工会などと協力し、JR舞阪駅前の広場に店を出す計画も進めています。行政区を超えた、柔軟な地域の協力体制を強めていきたい」 ―住民参画の課題は何でしょうか。 「自分たちが何か言っても意味がない、と思っている人が多い。これまでの都市整備が行政からの一方的な押しつけで行われてきたために、不信感がありますね。『考える会』のような、地域を取りまとめる組織が重要になると思いますが、問題はやりたがる人が少ないこと。特に若い人は、なぜそんなことに自分の時間を割かなければいけないのかと考えがちです」 ―住民が努力すべきことは何でしょう。 「住民もレベルを上げていかないと、行政の言うことが分からない。専門家の言うことにある程度ついていけないと、感情的な部分だけでは議論にならないし、実効性もない。勉強が必要です。そして、より根本的には、町に興味を持つことが必要です。興味を持たなければ、問題点も見えてきません」 ―意見集約の上で大事なことは。 「地域を考える集まりというと、どうしても地域の偉い人が集まりがち。若い人や女性の声を聞くことが重要です。また、できるだけ多くの人を巻き込んでいくのも大事。区画整理などでは、関係者がきちんと話し合いを重ね、説明していけば反対者は減ります。より多くの人が決定プロセスに参加する仕組み作りが必要です」 |
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| ■次回(1月25日=日曜日)は「静岡は住みやすいか?」投稿特集 インタビューはいかがでしたか。経済の低迷や刑法犯罪の増加など、住みにくさを感じさせる要因は個人の力が及びにくい問題ですが、自ら行動することが住みやすい町づくりへの一歩であるという指摘もありました。次回は「静岡は住みやすいか?」投稿特集です。皆さん、静岡での生活にどんなことを感じていますか。不満や要望、満足していることなど、ご意見をお待ちしています。転入した方は、他地域との比較などもお聞かせください。 |