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「フリーター400万人時代を考える」  投稿特集  (04/06/06)


切り札となるか
 今月1日、県が沼津、静岡、浜松の3カ所にオープンした「ヤングジョブステーション」。就職相談から職業紹介に至るまで6週間の継続支援プログラムなどを用意している。若者の就職支援の切り札になるか=静岡市黒金町
 「フリーター400万人時代を考える」―今回は投稿特集です。「雇用の形態にかかわらず、自分がいかに主体的に仕事にかかわるかに意味がある」と肯定する声、「初めは『好きなこと』ではなくても、携わるうちに人の役に立てる喜びを感じられることがある」と前進を応援する声などさまざまな意見が寄せられました。現役を退いた世代の方から仕事を持つことの大切さを説く声も寄せられました。

email 「一番好きなこと」と「楽しいこと」は違う
 フリーターという言葉を世の中に定着させてはいけないと思います。夢のためにアルバイトで生活することはよいと思います。しかし、それはあくまで夢を実現するための「つなぎ」で、フリーターという職業ではありません。

 テレビでのインタビュー番組で、「やってみたい職業があるけれど、資格が取れないからやれない」とか「好きな仕事が見つからない」という若者の声を聞きました。

 一番好きなことを職業にする。これはとても良いことです。世の中すべての人がこうなればもっとよい社会になると思います。ただ、「一番好きなこと」イコール「楽しいこと」と考えているのではないかと思える人がいるのが気になります。

 「好きなこと」というのは、大変だったり難しかったりしても、好きで好きで仕方なくて、投げ出さずにやりきれてしまうことだ、と私は考えています。どんなことも達成するためには、困難なことが途中で待ち構えているし、その困難を乗り越えることで、夢はまた一つ大きく膨らみます。好きなことというのは、「楽しいけど楽じゃない」のです。

 初めは好きではなかったけれど、その仕事に就いて、スキルを磨き、身につけた自分の力が多くの人を幸せにしていると気づくことで、その仕事が大好きになり、生きがいになったという人をたくさん知っています。好きなことが見つからない人は、まずその仕事のスキルが身につくまで苦労してみるといいと思います。とことんやってみて、やはり「違う」と感じても、そこで身につけたスキルは、その後の夢達成に必ず役に立ちます。

 困難を乗り越える努力を風化させてしまいそうなフリーターという言葉の絶滅を提案します。

(焼津市、季節の小箱、47歳)

fax 家族の一員という自覚を
 私はフリーターの存在自体を否定するつもりはありません。むしろ、自分に適しておらず、自分の持っている力を発揮できる場所ではないと自分自身が気付いたなら、中退であろうと転職であろうと潔く退き、次への新たなチャレンジをすることによって、自分の可能性を見つければよいと思うのです。

 ただ、気になることは…。フリーターをしている若者たちの生活を垣間見る時、かっこいい車に乗り、食住は親がかり、まれには携帯電話料金の支払いも親の口座から。自分が得た収入は自分のためにのみ使える気楽さ。「フリーターの生活はエンジョイできるよ!」とつぶやいている若者たちの顔がそこにあるように思われるのです。

 行政ではフリーター増加に歯止めを掛けるため、いろいろな制度やネットワーク支援を立ち上げ、それらを活用することによって自分を生かせる仕事が見つかり、生き生きと働いている若者は数多く見られます。

 しかし、完全失業率が三月で4・7%なのに十五―二十四歳の失業率が11・8%と高い数値を表している事実は、成人になりきっていない若者、つまり家庭内における子どもの生活意識の欠如が大きく関係していると思うのです。「子どもだけには苦労させたくない」という従来の親の考えがまだまだ残っていて、子どもは甘えることに慣れてしまっているのではないでしょうか。

 あるドキュメンタリー番組で「親がリストラにあい、収入が無くなったことが分かった時、フリーターである生活を止めようと決心した」と男性がつぶやいていました。「自分が家族の一員であることの自覚」にフリーターに歯止めを掛ける鍵がひそんでいるように私には思われたのです。

 本当に必要なことは「若者自身がぶつかって自分でとびらを開こうとする精神力を育てあげる」ことではないでしょうか。この精神力が若者についた時こそフリーターの増加にストップがかけられる明るいきざしが現れるのではないでしょうか。

(裾野市、主婦、61歳)

letter
 孫がフリーター生活をしており、共に暮らしている。高校卒業時、建設にかかわる業務に就職。特技がないので雑役だったが朝七時半の朝礼、終業は現地時間で帰宅も遅く汚れた衣服で小さな傷を見せたこともあった。健康な体力は労働にひるまずその職責の中でオペレーターを目指すと意気込んでいたが、一カ月余りで会社は行き詰まり失職した。

 夢は砕けて就職先は見当たらず人材派遣会社に籍を置くことになった。早出、午後から、夜勤などのほか、数日待機する日もあり、働く場所も時間も定かでない。定職を得る道は険しく、家族ともども職探しが話題となる。

 不遜(ふそん)な言い分だが、派遣会社と企業が利益だけを追求しているような気がしてならない。行政が企業の知恵に先を越されてしまう悪循環。官という安定した職責の改革こそ肝要と老骨の思い。適切な法の制定に期待したい。

(袋井市、匿名希望)

letter
 大学や高校を卒業して就職しても、すぐ辞めてしまい、安易なフリーターの道を歩む。正社員にならずとも、経済的に親に依存し、アルバイト料のすべてを小遣いに充てることで、一時的には豊かな生活を享受できる。だが今はいいが、十年後、二十年後はどうなるか。こうしたフリーターが将来、社会の中枢を担うことになれば問題は深刻です。

 本人の自覚は無論必要ですが、親や社会がフリーター志向を容認してはいないか。そしてまた、親が子離れできないから社会へ出しても自立できない、あるいは自立したがらない若者が増加したのだと思うのです。

 人間が生きていく上で最も大切なものは、やはり「本業」です。与えられた仕事を地道に、こつこつと務めていけば、必ずそのうちに楽しみや幸せが生まれてきます。

(豊田町、戸塚光男、72歳)

fax 視野広げることは可能 
 現在フリーターとして働いている若者を見るにつけ、世相の一端をみるような気がします。私たちの世代は一度定職についたらその道一筋という観念がありました。しかし、私自身、三十年間勤めた公務員の仕事を病気のため辞めざるをえず、体を使う仕事(掃除)、そしてモニター(郵便局、生命保険、家具屋、スーパーマーケット、バス会社、テレビ二社、放送、消費者、電力会社)をしていた時代は私にとって収入源にはなっても、実際に仕事を果たしたのとは違って、フリーターのような気持だったように思います。

 しかし、さまざまな体験を通して人とかかわり、視野が広がってさまざまな立場でものを見ることができました。フリーターであっても、専門性を追求したり、人とのかかわりの中で感性をみがくことができると思います。要は、その中でいかに自分を生かしていくかにあると思います。

(吉田の家康、65歳)

fax
 彼らがそこそこ働いて、そこそこ稼いで、そこそこ人生を楽しんで自由気ままに生きていてもそれはそれで一つの生き方なので、あらためてどうこう言うつもりはないのです。

 国民から見れば、その生き方が消費生活の中でコスト抑制のパフォーマンスとなり、治安の良い社会の構築に寄与してくれるのならわれわれはむしろ、彼らを温かく見守る余裕さえあるのです。しかし日本の将来を考える時、将来を任せる彼らがこのままでいいのか憂慮し、せめて日本人の大人としての義務と責任を守ってもらいたいと考えるのが常識ではないでしょうか。

 そこで、人づくりの意味でも、さまざまなシステムをつくり、国として参加を促すことを提案します。

 (1)十八歳からの自衛隊体験入隊(当面は任意で二カ月)―心身ともに訓練するため。退職金が付く。

 (2)選挙活動のボランティア―人間社会の仕組みや上下関係や言葉遣いを学ぶ。

 (3)介護や交通遺児保護の体験―長幼の序と優しさを身をもって体験する。

 (4)公共工事や発掘作業へのボランティア参加―税金がどのように使われているか、国づくりとは何か。日本の歴史を肌で知ることや先人たちがどんな苦労をして来たのかなどを体験する。

 (5)海外青年協力隊の体験―日本という恵まれた土地を離れて世界の人々が、今、どんな事で悩んでいるのか、援助とは何か、何が原因で紛争が起こっているのかなどを学ぶ。いまや日本の成人は個人を離れて地球(救)人として生きる自覚を持ってもらいたいのです!

(静岡市、新井泰、63歳)



■次回(13日=日曜日)は「有権者になるってどういうこと」 座談会

 24日に公示が予想される参院選。年金問題や自衛隊イラク派遣など、課題は尽きないものの、若者や無党派層の関心はあまり高まっていないようにも見えます。次回のトークバトルのテーマは「有権者になるってどういうこと」。静岡大の学生による座談会を紹介し、若者の投票率を上げるにはどうしたらよいか、参議院の役割をどう考えるか―などについて考えます。


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