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| 「男の育児休業を考える」 インタビュー (04/12/12) |
女性と同様、子供が一歳になるまで、男性にも取得の権利が保障されている育児休業。男性の育児参加を促し、少子化対策にもつながるとして、国や自治体は企業に積極的な環境整備を呼び掛けていますが、実際に取得する男性は数えるほどです。そうした中、群馬県太田市のように来年一月から市の男性職員の育児休業取得を義務化することを決めた自治体もあります。男性の取得は、どうすれば進むのでしょうか。育児休業を取得した静岡市の男性職員と、前回紹介したディベート大会にも出場した女性の生き方を考える市民団体「シーズリサーチ研究所」(事務局・静岡市)の「静岡しりたい研究会」メンバーに、それぞれの立場から意見を語ってもらいました。 |
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―育児休業はいつ、どのくらい取得したのですか。 「今年四月一日から七月二十一日まで、約三カ月半取らせてもらいました。子供が一歳になる前で、自分が休みに入るのと入れ替わりに妻は復職しました。決心したのは子供が生まれてから。それまでは仕事のことなどを考えて踏ん切りが付かなかった。ただ、家のことは何でも妻と半分ずつ負担すると決めていたので、最終的には取ることにしました」 ―取得してみて良かったと思うことは。 「大げさな身ぶりをして子供を笑わせたりするのは何となく気恥ずかしかったのですが、小さい時に長い時間一緒に過ごしたことで、恥ずかしがらずに接することができるようになりました。それから、子供のこととは別に、仕事中心でないゆったりした時間を過ごせたのも良かった」 ―育児の中で、苦労したことは何でしょう。 「長い一日を一緒に過ごすのは、思ったより大変でした。洗濯、掃除など一通りやるべきことが終わって、食事も食べさせて、さあ、何するかなあ、と迷ったり、子供が寝てくれるのを待つような時もありました。ずっと家の中では息も詰まるので、よく散歩に出て、子育て支援センターなども利用しました」 ―仕事の引き継ぎなどはどうでしたか。 「年度初めから取ることができたのは良かったと思います。担務のうちすぐに取りかからなくてはならないものについてはほかの職員に分担してもらい、年度途中からでも支障のない仕事は取り置いてもらいました。休み中、職場から問い合わせをもらうこともありましたが、なかなか頭の切り替えができず大変な時もありました。子供を見ながら仕事をするのは難しいと思いましたね」 ―休業中、仕事のことは気になりましたか。 「あまり気にしないようにしつつ、職場とのつながりを持っていたいので、月二回くらい職場に顔を出していました。また、時間がたつにつれ、早く復帰したいという気持ちが強くなりましたが、復帰直前に仕事の打ち合わせをした時には、復帰してやっていけるかという不安も覚えました。収入については40%の保障があったのはよかったと思います」 ―育児休業を取る男性はごくわずかです。理由はどんなところにあると思いますか。 「それぞれの企業の制度や事情もあるでしょうし、やはりまだ、男性が育児休業なんて、という雰囲気が強いのだと思います。自分の場合、公務員で、上司や職員も含めて男女共同参画に理解のある職場でしたので恵まれていました。それに、既に育児休業を取得した男性がいたので、言い出しやすかったことも大きいと思います」 ―育児休業を取って、自分自身に変化はありましたか。 「それまで気付かなかったことに目が向くようになりましたね。食事に出かけるのでも、おむつを替えられる場所があるかとか、ミルク用のお湯を出してくれるかどうかとか、そういうところが気になったり。大げさに言えば、子育てを通じて社会を見るようになったということでしょうか」 ―取得を迷っている父親にアドバイスはありますか。 「わたしも、どうしても子供の面倒を自分で見たいという強烈な思いがあった訳ではありません。子供のかわいさというのは、子育てにかかわるうち、じわじわ分かってくる部分もある。機会があれば、職場や夫婦で折り合いを付けて、取得を考えてみてほしいと思います」 |
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―現在の育児休業の制度をどう見ますか。 「一日単位で、原則一回限り、子供が一歳になるまでしか取得できず、給与も雇用保険に入っていない組織なら無給になるなど、取りにくい制度になっていると思います。共働きで親にも頼れない場合など、一年の育児休業はありがたい。でも、育児は一歳がゴールではありません。外へ出る機会が増えて、病気にかかるようになったり、下の子が生まれたりすると、より父親の手が必要になってきます」 ―どんな制度が求められますか。 「ある程度収入が保障された状態で、一歳以降も薄く長く取れるようにならなくては取得しにくい。子供の送り迎えや、病院の付き添いなど本当に必要な時に、必要なだけ取れる柔軟性のある制度が求められていると思います。父親にべったりいてもらう必要はないが、絶対に一人では無理、ということもあります。育児経験者の意見を反映した制度を望みます」 ―男性の育児休業義務化の議論については。 「総論では賛成です。育児休業を取りたくても取れない人が多い中、義務化されれば負担なく取れるようになります。ただし、どういう制度を作るかにもよりますが、現実的には一律義務化は難しいかもしれません」 ―ご自身の経験はどうですか。 「同居の夫の両親にずいぶん助けてもらい、恵まれていました。二人目を出産するまでは専業主婦だったこともあり、夫の育児休業については切実に必要と感じたことはありませんでした。しかし、営業職で夜が遅く、休みも思うように取れない夫を持つ知り合いなど、周囲に切実に夫の助けを望む声は多い。子育ては心理的負担も大きく、物理的に大変である以上に、精神的に孤立してしまうのが何よりつらい。その意味で育児の時間を分かち合うことはとても大切だと思います」 ―企業の負担の大きさが指摘されますが。 「急にでも休みが取れるような柔軟性のある制度を作ると、仕事が混乱し、会社に負担が大きいというのも分かります。しかし、企業には忌引など、緊急の休みの規定はある。一週間くらいの休みは取って取れないことはないし、周りもフォローできるのではないでしょうか。本当に必要な時に、例えば半日仕事を調整することが、不可能だとは思えません」 ―特に中小企業では大変だという声も聞かれます。 「確かに日本の企業のほとんどは中小ですし、数人でやっているような事業所では負担が重すぎるでしょう。先ほど柔軟性のある制度が求められると言いましたが、長い期間に少しずつ取れるような制度に改めていけば、中小企業にとっても負担の少ない形になるのではないかと思います」 ―男性の育児休業取得が進まない理由は何でしょう。 「ある調査によると、取りにくい一番の理由は、周囲への気兼ねだそうです。育児休業をしなくても子育てに参加することはできるという考え方もあるかもしれませんが、子育て世代の男性は、実質労働時間が長く、帰りが遅い。少なくとも現在のような状況では、休みを取らなくては実質的な育児参加は無理でしょう。社会的に、もう少し短く、ゆるやかに働くような変化が出てくれば、また違うのかもしれませんが」 |
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■次回(12月19日=日曜日)は「男の育児休業を考える」インタビュー投稿特集 照れずに子供に接することができるようになった、という取得経験者の体験談はいかがでしたか。女性側からは、より取得しやすい、柔軟性のある制度の整備を求める声も出ました。次回もインタビューです。昨年成立した次世代育成支援法は、従業員300人以上の企業に、育児休業取得率の男女別目標値設定などを含む、行動計画の策定を義務付けました。努力を求められる企業ですが、低迷する経済状況の中、中小の企業には厳しい実情もあるようです。次回は企業側の実情や取り組みなどについて、関係者に聞きます。体験など、投稿も積極的にお寄せください。 |
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■「2004年を表す言葉」募集 今年も県内、国内、海外でさまざまな出来事があった一年でした。相次ぐ台風の上陸や新潟県中越地震などの自然災害、年金問題を争点にした参院選、空前の「ヨン様」ブーム、米大統領選、イラクでの邦人人質事件や記者殺害事件、アテネ五輪での日本人選手の活躍、プロ野球再編問題、イチロー選手の大リーグ最多安打記録更新など、項目を挙げていくだけでも、激動の一年だったと言えると思います。 皆さんにとって、二〇〇四年はどんな一年だったでしょうか。トークバトルでは、今年を表現する言葉を募集します。漢字一字、四字熟語、創作熟語など、形式は問いません。簡単な理由を添えてお寄せください。年末の紙面で紹介します。多数の応募、お待ちしています。 |