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| ほんだ・よしのり氏 1952年、北海道生まれ。慶応大大学院修了。東京都立江東商業高校校長を経て今年4月から現職。
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 | | 社会参画の自覚早める
―国民投票法は投票権者を18歳以上としました。
「基本的には賛成だ。政治参加を早く、区切りのいいところでした方がいいと思う。年金制度など子どもたちの将来に関係があることを大人がどんどん決めている。若い世代も意見が言えるシステムをつくっておいた方がいい」
―判断ができますか。
「今の子どもたちは生まれたときから成人年齢が20歳だった。それを突然18歳にと言えば否定的な意見が出てくるのは当然だ。ただ、小、中、高と段階を追って指導していくことで、ほとんど問題はないと思う」
―民法を改正し18歳を成人とするべきですか。そのメリットは。
「学校として、下げてほしいという要求があるわけではない。ただ、社会が決めるのなら、現在の学校制度であれば『18歳で高校を卒業、成人になるんだよ』という形は好ましいのではないか。今は卒業後から20歳までに、大学でも社会でも成人になることに関しては何も学んでいない。成熟度には個人差があるが、自覚を持たせるためにも(引き下げに)向かっていった方がいい」
「良い影響としては、社会に関心が持てることや参画しているという意識が持てることがある。自分も社会の一員であり、構成員として頑張っていくんだという自覚が早く出てくるだろう。いいことだと思うし、学校教育とも直結する」
―成人と未成年が混在すると高校は混乱しませんか。
「全く危惧(きぐ)していない。制度の混在は運転免許などさまざまあるが、学校が困ったということはない。大学だって成人と未成年が混在しているが困ったとは聞かない。学校には校則など約束があり、ある程度の形はそこでできる。成人だから飲酒、喫煙ができるといっても、学校で自由にできるとは考えない。非常にまずいということであれば、(年度方式にし成人は)3月31日にということもできる」
―契約に親の同意が不要となり、マルチ商法などが高校に持ち込まれるとの懸念もあります。
「契約や商行為に関し段階を踏んで教育していけばいい。もちろん何でもかんでも自己責任ではまずい。さまざまな形での保護をしていくことが前提だ」
―結婚年齢はどう考えていますか。
「18歳で結婚できるとすればいいのではないか。むしろ男女の年齢に差があることの方が子どもたちには理解できないので、そろえてもらいたい。今の大学でも結婚はできるが、困っているということはなく、心配していない。定時制では結婚している子もいるが問題にはならない」
―成人となるための教育で授業が増えませんか。
「クラブや生徒会での活動、ホームルームもある。そういうところで取り組めば、新たに必要なものはないのではないか。高校にもさまざまな幅があり、問題のある学校に目がいきがちだが、高校生は可能性を秘めている。十分に対応できると思う」
―数年の準備期間で良いですか。
「そこは危惧している。今もこういう問題を論議しているということがあまり周知されていない。子どもたちには保護されているという意識があり、ある日突然18歳で成人にされたら驚き、『上から押し付けられた』と感じるかもしれない。実施までの期間はよく考えた方が良いのではないか」
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| ふじた・ひでのり氏 1944年、石川県生まれ。米スタンフォード大大学院博士学位取得。東大教育学部長を経て現職。
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 | | 年齢下げる合理性ない
―国民投票法は投票権者を18歳以上としました。
「年齢引き下げは社会的契機ではなく、政治的契機だ。その背後には党派的な思惑がある。若者が大挙して『投票権をよこせ』と言っているわけでもなく、必要性はない。ただ、憲法は国の根幹をなす法律なので、改憲などに18歳が1票を投じる権利があっていけないと言うつもりはない」
―選挙権についてはどうですか。
「引き下げは好ましくない。大学では政治的問題について教員が自身の考えを述べても必ずしも問題にならないが、高校まではそうはいかず、学校教育が非常に難しくなる。参政権がないからといって意見表明権がないわけではない。投票権を認め政治的、社会的な成熟を促進すべきだという意見もあるが、20代の投票率は低い。投票権で成熟度を高める方法に有効性はない」
―世界の多くの国が成人年齢を18歳とし、選挙権も認めています。
「多くの国が1970年代以降18歳にしてきたが、調べてみると多くは徴兵制の年齢が絡んでいる。オーストラリアの資料には徴兵年齢とベトナム戦争が契機になったと書かれていた。義務を課すのに権利を与えないのはおかしいという議論だ。日本は事情が違う。
―民法などでの引き下げは。/P>
「民法をはじめ関連する法律をどうするかは、それぞれの法律が対象としている問題について最善の規定をすべきで、国民投票法がそうなったからといって合わせるというのは論外だ。民法の成人年齢を引き下げるべきだという議論が大きな政治問題になったことはなく、国民に要望があるとも聞かない。変える必要性は感じられていない」
「ポイントは財産処分、契約行為、結婚の同意の3点だ。契約などで早い段階から自己決定、自己責任を取らせるかどうかだが、今だって保護者の同意がいるだけで自分の意思でできないわけではない。一方で、時代は以前よりもますます複雑になり、犯罪は巧妙複雑になっている。うるさいと感じる人もいるだろうが、保護されているメリットの方が大きい。結婚も同意が必要とはいえ男性は18歳、女性は16歳ででき不都合はない」
―引き下げる必要はないですか?
「学習し、社会的責任を負うまでの準備期にある青少年を保護する期間をどのくらいとするかは、平均寿命と経済産業の在り方、学校教育の普及と絡み合っている。江戸時代は15歳ぐらいだったが、明治以降は20歳となった。今は平均寿命と学習期間がより長くなり、社会は複雑化している。正規の職業に就いていない人も増えており25歳でもいいぐらいだ。上げる必要はないが、下げる合理性はない」
―高校卒業で成人とすれば、自覚しやすくなるのでは。
「節目を迎えた時に考え自覚する子どももいる。高校卒業の節目と成人の節目は別にした方がいい。進学や就職でバタバタしている時に『成人だ』と言っても効果はない。高校のクラスに成人とそうでない人がいたら混乱する。ただ、成人とするのを『成人の日』とか年度末とする方式は検討してもいいと思う」
―飲酒や喫煙はどうすべきですか。
「18歳にすると高校が難しい問題を抱え込む。現実には高校を卒業すれば酒を飲んだりすることもあるかもしれないが、引き下げた場合のデメリットの方が大きくなる」
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法制審議会 法相の諮問を受け、民事・刑事法などに関する基本的な法律事項を調査、審議する機関。司法法制に関する法律の立案に重要な役割を果たし、答申は原則として法制化される。メンバーは学識経験者や裁判所、検察庁幹部らで構成。諮問内容に応じ、実質的な審議を行う専門部会が置かれる。今回の成年年齢の検討では「民法成年年齢部会」が設置され、学者や民間から委員18人が任命された。 | |
(共同)
■次回(8月31日=日曜日)は「北京五輪を振り返る」投稿特集
北京五輪はきょう、閉会式を迎えます。環境問題やチベット暴動を受けた社会不安の懸念など、開会前からさまざまな注目を集めたアジア3度目の夏季五輪。競泳北島選手の連続2冠、ソフトボール悲願の優勝など日本選手団の健闘や、陸上ボルト選手の驚異的な世界新2冠をはじめ、世界トップレベルの戦いが生んだドラマも豊富でした。演出が次々発覚した開会式も話題を呼びました。みなさんの目にはどう映ったでしょうか。これからの五輪の在り方なども含め、ご意見、感想をお寄せください。
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